中国当局、投資家を5段階評価で格付け「個人投資家を株市場から追い出すため」か

2017/06/19
更新: 2017/06/19

中国証券当局は7月1日から、国内の投資家に対して格付けすることが明らかになった。当局は投資家を5段階に評価した後、一部の投資家に対して、特定の株式や債券の取引を制限すると決定した。国内多くのネットユーザーは、当局は同決定で株式市場を支える個人投資家を市場から追い出す狙いがあると批判した。

「投資の神様」バフェット氏、
中国株市場は「カジノのようだ」

国内金融情報サイト「和訊網」(17日付)の報道によると、中国証券業協会がこのほど、証券会社に対して発布した『証券経営機構が投資家の適切性に関する管理実施指引(意見募集稿)』では、投資家を対象に行う「リスクに耐える能力アンケート」の得点で、投資家を保守型、慎重型、穏健型、積極型、ラジカル型と分類していくのを決定した。

投資家が保守型や慎重型であると評価されると、証券会社は同投資家に対して「A株市場やB株市場の株式や、AA格信用債券、新三板市場(店頭市場の「全国中小企業株式譲渡システム」)の創新層登録銘柄」を含む中リスク商品、「AA-格以下の信用債券」などの高リスク商品を販売してはいけないと定めている。

アンケートの内容は、投資家の資産状況、投資知識・経験・目標、リスクについての考え方、年齢、学歴、家庭情況などから構成されている。

同アンケートを回答して、得点が20点を下回るのは保守型で、20~36点は慎重型、37~53点までは穏健型、54~82点は積極型、83点以上はラジカル型だという。

格付けにより、各型の投資家はそのリスク評価に見合う金融商品しか購入できなくなる。例えば、保守型投資家は「銀行の元本保証型金融商品」などの低リスク商品しか取引できない。慎重型は中低リスクと低リスク商品、穏健型は中リスク・中低リスク・低リスク商品、積極型は中高リスク・中リスク・中低リスクと低リスク商品。ラジカルは高リスクから低リスクまですべての金融商品を購入することができる。

「格付け、どうやって評価?」投資家は疑問符

中国証券当局の証券監督管理委員会(証監会)は同規定は投資家を保護するためにあると示した。しかし、インターネット上では多くの国民は当局の主張に疑問視している。

ネットユーザーの「歩歩為贏」さんは、「どうやって評価をするのか? 今までの取引の損益で評価するのか? そうであれば、A株市場での取引の99.999%が大損している。(投資家の)皆、市場から撤退した方がよさそうだ。株式市場を自生自滅させればよいのだ」とのコメントを書き込んだ。

また、「この規定は頭がおかしい人が制定したのか? 中リスクとか、高リスクとか、穏健型とか、ラジカル型とか。でたらめを言っているだけだ。何を持って投資家を分類するのか? 資金で? 損益比率で? もしかして、これは新しい不法蓄財の方法なのでは…。大金を株市場に投じれば、(証券会社から)保守型からラジカル型までなんでも手に入れることを、皆知っているよ」と皮肉ったユーザーもいった。

ネットユーザーの「稲草人」さんは、証券当局に対して「中小個人投資家を保護するのであれば、インサイダー取引の取り締まりを強化すべきだ。上場企業の違法行為を厳しく処罰しないで投資家を評価するなんて、本当に頭がおかしい! しかも、かなり重症だ」と痛烈に批判した。

中国株式市場の投資家のうち、個人投資家が8割以上を占めると言われている。ユーザーの多くは、当局はこの新規定を通じて、個人投資家を株式市場から追い出し、その代わりに資金潤沢の機関投資家の規模を拡大していく狙いがあると分析する。

(翻訳編集・張哲)

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