銘茶伝説:最上のお茶「大紅袍」の由来

2006年03月08日 17時12分
 【大紀元日本3月8日】美しい景観を誇る中国・福建省の武夷山は、ウーロン茶発祥の地であり、その中でも「大紅袍」(だいこうほう)というお茶は、「茶王」と称されるほど有名である。

 「大紅袍」の茶木は、武夷山天心岩付近の九龍窠(きゅうりゅうか)最後列の岩下に自生し、茶木の両側には真っ直ぐに切り立った岩壁がそびえている。場所は非常に険しく、土壌は潤って肥沃であり、周囲は岩壁に囲まれているため、日照時間が少ない。これは、茶木の生長に最適で、自然条件にとりわけ恵まれている。一般的に、お茶は7回ほど注ぎだせば味が薄くなるが、「大紅袍」は少なくとも9回注ぎ出しても本来のモクセイの香りがそのまま残る。茶王と評される所以である。

 何故「大紅袍」と言う名前がついているのだろうか?実は、それにまつわる伝説がある。清の時代、首都へ科挙の試験を受けに急ぐ1人の秀才(地方の科挙試験に合格した人の称号)が、途中で腹痛を起こし、病に倒れた。ちょうど通りかかった天心寺院の住職は、秀才を寺院へ連れて帰り、九龍窠で採ったお茶を秀才に飲ませた。秀才はそのお茶を飲むと、すがすがしい香りが体の中へ流れ込み、疲れが軽減したように感じた。暫らく経つと、腹部の痛みも消え、元気になったという。

 その後、秀才は殿試(科挙の最終試験)に合格し、状元(主席合格者の称号)で合格した。状元は命の恩人に感謝するために、武夷山へ出かけ、住職に不思議な効き目のお茶を是非見てみたいと尋ねた。住職は状元を案内し、険しい岩壁に生える高さ3~4メートルの3本の茶木を見せた。幹の部分はくねくねして、表面はコケに満ちており、濃い緑色の葉っぱと葉っぱの間には、赤紫色の茶葉の新芽が出ている。状元は大喜びし、住職に了解を得て、少し茶葉を持ち帰った。

 状元が首都へ戻って暫らく経つと、今度は皇后が腹痛を訴え病に倒れた。侍医がなすすべも無く手をこまねいていた時、状元は持ち帰ったお茶を皇后に献上した。すると皇后の病状は一気に良くなり、皇帝は非常に喜んで、状元に真っ赤な長い衣を与え、武夷山の茶木に対して賞を授けることを託した。状元は当時訪れた場所へ行き、茶木に真っ赤な長い衣を掛けた。それ以来、同茶は「大紅袍」と称され、毎年皇帝へ献上されるようになった。

 「大紅袍」は発酵したウーロン茶で、モクセイの香りを持ち、味や香りに特徴がある。渋みの中に甘みがあり、香りは体の中まで沁みこむ。疲労回復に効き、全身をすっきりさせ、暑さを和らげ、消化を助け、下痢止めの効果もあるという。「大紅袍」が珍品となったのは、生産量が少ないことも一つの原因である。毎年春、新芽が出始めるころには、裕福な人々が購入に争うほど入手困難な逸品である。

関連キーワード
^