日銀「量的緩和政策」を解除;中国通貨当局に警鐘

2006/03/15 07:00
 【大紀元日本3月29日】日本政府は3月13日、2005年第4四半期の国内総生産(GDP)改定値は年率5.4%増と発表した。エコノミストは、日本経済が堅調に回復していることは世界経済に多くの影響を与えるだろうと指摘した。日本内閣府によれば、前月速報値の1・4%よりやや低いが、去年第4四半期のGDPは前期比で1・3%増となったという。改定値を年率で換算すれば、第4四半期のGDP成長率は5・4%となる。この数値は最初予想された5・5%より少々低いが、米国やEU連合の同期GDPと比較すれば、非常に強いものである。去年第4四半期の米国GDPは1・6%増で、EU連合は0・3%増である。

 改定値が少し低かった原因は、前期比で0・4%増である設備投資、速報値の1・7%より1・3%も下回ったからである。しかし、個人消費と企業在庫投資が増加したため、経済全体の拡張を促進し、7年間も低迷した消費者物価も底から抜け出した。

 米VOAは、日本の経済成長について、米国や中国のエコノミストの見解を報道した。

 *国内の需要が経済成長を促進*

 米国ワシントンにあるシンクタンク機構である国際経済研究所(IIE)の上級研究員であるウイリアム・クライン氏はインタビューの中で、日本国内需要が経済成長を推進したと示した。

 クライン氏は「日本経済に関心を持つ多くのエコノミストは、日本景気が堅調に回復していることを喜ばしく思い、長期的にわたるデフレとその数度の繰り返しを経て、日本経済はやっと安定な成長軌道に戻ってきたと考えています。今年の第1四半期のGDP成長率が0%であっても、3月31日までの2005年度のGDP成長率は3.2%に達する」と述べた。

 *日銀の新政策は遅い*

 日銀は3月9日に5年間にわたり続けてきた量的緩和政策を解除した。多くの人は日銀のこの政策決定について、日本経済成長は安定化したと考えている。

 米国のイーライ金融コンサルタント会社のCEOである、日本経済スペシャリストでもあるアルベルト・イーライ氏はインタビューにおいて、日本におけるデフレリスクはすでになくなっていて、経済成長の勢いも確立されているので、今回日銀の量的緩和の解除は遅いのではないか、と指摘した。

 さらに、イーライ氏は「日本の長期的な量的緩和政策とゼロ金利政策は日本国に長期的な問題をもたらした。ゼロ金利は貸借の実質コストを換えてしまった。たとえば、政府の債務はこれで増えるので、金利の切り上げによって政府は予算を最小限にし、赤字を削減するように努力する。ゼロ金利を維持すれば、経済成長に長期的なマイナスの影響を与えるだろう」と話した。

 *日本経済は世界で第三の柱となる*

 世界経済は近年、米国と中国に依存している状況がますます明確になってきた。長期間にわたる米国人の強い消費需要と中国で堅調に推移して来た企業設備投資は、世界経済を支える二本の柱である。世界第二の経済大国である日本の景気回復によって、世界経済構造にどのような影響を与えるだろうか。IIEの上級研究員であるクライン氏は、米中という二本の柱を基にした世界経済の成長は不安定なものであり、日本の景気回復が続けて行けば、第三本目の柱となれる、と認識している。

 クライン氏は、「私は、日本景気回復の加速は世界経済にとてもいいことだと思う。一般的に、米国の莫大な貿易赤字から見ればわかるように、近年米国経済の一つの問題として、世界経済が米国国内の需要に依存し過ぎるということがあげられる。したがって、日本景気回復の加速あるいはEU景気回復の加速は、このような貿易収支の不均衡を解決することができる。これから、日本は米国あるいは他の国からより多くの物を輸入するだろう。しかも、日本の金利の切り上げにより、円高となり、米国にとって日本に対して輸出する際より多くのメリットが得られる」と話した。

 *不明瞭な日本の役割*

 しかし、モルガン・スタンレーの首席エコノミストであるステファン・ロッシュ氏はインタビューの中で、クライン氏の主張は一般的な話であり、今現在の状況から見ると、日本の輸入に占める米国の割合が縮小したため、日本は米国の貿易赤字を解決する役割はまだ果たしていないとみている。

 

 *利益を得る中国*

 

 日本経済の対中影響について、エコノミストの間ではまた意見が分かれた。IIEのクライン氏は、中国は日本の需要から利益を得ると考えている。

 彼は「当然他の国からの輸入が増えるが、日本経済成長の加速によって、中国からの輸入に対して需要がさらに増えると思っている。中国はその利益を得るだろう。同時に、これらのことによって、人民元の切り上げをするための条件が容易となる。人民元が切り上げられれば、米国の貿易赤字を縮小させることができる」とみている。

 *中国は金利政策を改める必要がある*

 一方、3月13日付の香港経済導日報では、日本金融政策の変化はデフレがもう人々の生活から遠ざかり、インフレが少しずつ人々の生活に近づいてくるだろう、日米などの世界主要経済大国が自国の政策金利を切り上げることによって、国際資本流動の方向を変えられた、中国政府は金融政策を変えなければ、他国との金利差が広がり、中国国内の資本を海外に流出してしまい、中国経済の発展は大きく阻まれるだろう、と指摘した。

 また、世界的な金融規制の裏に潜むインフレリスクは中国通貨当局に警鐘を鳴らしたとし、日銀の金融政策の変化は中国人民銀行にとって一つの良い例であるとしている。

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