某商社に勤める「麻子さん」、流暢な中国語で「○○麻子です」と言いながら名刺を差し出したところ、相手の方がくすっと笑って麻子さんの顔をまじまじと覗き込んだという話があったとかなかったとか。
中国語の『麻子』は「あばた」。「あばたもえくぼ」の「あばた」です。自分から、「私はあばた面です」と名乗ったのですから、相手の方もさぞ不思議に思ったことでしょう。
「あばた」で思い出すのが「マーボドウフ」。漢字で書くと『麻婆豆腐』で、この『麻婆』が実は「あばた面のおばあさん」という意味です。その昔、四川省に陳というあばた面のおばあさんがおり、そのおばあさんの考案した豆腐料理が非常においしくて好評だったことから、『麻婆豆腐』の名前が付いたそうです。
日本語と中国語がともに漢字を使うということから、両言語間には「同形異義語」なるものが存在します。漢字で書いたら同じ(同形)だが意味が異なる(異義)というもので、以前このシリーズで扱った「出世」や「人間」がそうですし、今回の「麻子」もその一つだと言っていいでしょう。日本人は漢字を知っているから、中国へ行ったら筆談でどうにかなるなどと言う人がいますが、日本語と中国語は所詮、外国語同士。必ずしもそう上手くはいきません。
ところで、「麻子さん」のほかに、「花子さん」も中国の人にとっては、「くすっ」です。なにせ、中国語では「乞食」という意味なのですから。お二人の方、お気を悪くしたらお許しを。
(智)
(06/03/20 07:00)
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