処分したはずの有毒粉ミルク、四川省で豚の飼料に

【大紀元日本7月7日】中国でメラミン混入の有毒粉ミルク事件が発覚してから3年、当局が処分したはずの有毒粉ミルクが市場に出回っていることが判明した。四川省では安全基準値515倍の有毒ミルクが養豚場で豚飼育に使われていた。

地元紙「重慶晩報」によると、現地のある闇業者は2年前から、メラミン混入の有毒粉ミルク計6.75トンを仕入れて、重慶市や成都市近郊の複数の養豚場に販売していた。昨年10月、不審に思った養豚場の経営者が現地当局の保健所に成分検査を依頼したところ、サンプルから安全基準の最大515倍となるメラミンが検出された。

問題の粉ミルクの袋には商品名や、メーカーなどのいかなる標識もない。養豚場の経営者によると、摂取した子豚は下痢が止まらくなり、与えるのを止めると、症状が消えたという。

重慶市にある西南大学の董国忠教授は、動物の体に飼料の毒素が残留することがあるため、その肉や内臓を食すると、人体にも影響を与えかねない、と指摘した。

現地の警察当局は闇業者を逮捕して、違法経営の罪で起訴する予定だ。

本件は昨年10月に発覚したが、今年6月に現地メディアの報道によりはじめて明るみになった。

2008年9月、当時の乳業大手「三鹿集団」が粉ミルクのたんぱく質の含有量を水増しするために、高濃度の有毒物質メラミンを混入したという大規模な事件が発覚した。摂取した乳幼児は重度の腎臓疾患を患い、死に至った乳幼児も少なくない。

中国政府は当時、同有毒粉ミルクを全部処分すると明言していた。一方、昨年8月にも河南省や、山西省、天津市、青海省など各地で同有毒粉ミルクが流通されているのが判明、計230トンが押収され、47人が逮捕されていた。

 (翻訳編集・叶子)