魚の乱獲でクラゲが増加=欧科学者

【大紀元日本6月26日】世界的に見られるクラゲの異常繁殖は、乱獲地球温暖化の影響によるもので、生態系のバランスが崩れている兆しだと専門家が警告した。AFPが伝えた。

フランスのパリ海洋学研究所に所属するジャクリーン・ゴイ(Jacqueline Goy)氏によると、クラゲは環境状態の「指標」であり、「クラゲの数が多いほど、何かが変化したというより重大なシグナル」。人間による飽くなき魚の乱獲によってできた空間を、大量のクラゲが埋めていくという。

地中海沿岸地域は、特にクラゲの数が爆発的に増加しており、現地の海洋生物に深刻なダメージを与え、観光にも影響が出ている。クラゲの生態は未だによく分かっていないが、今年の夏は、再びクラゲが地中海を埋め尽くすだろうと科学者らは予測している。過去のデータを見ると、クラゲは12年ごとに自然に増加した後、4年~6年の間その状態を保ち、その後徐々に減っていくという。今年はクラゲが増加を続けて8年目になるという。

科学者らは、過度に海洋資源を利用すると、クラゲのような原始生物が無制限に繁殖する良くない環境が作り出されると述べている。Oceana研究所のリカルド・アギラー(Ricardo Aguilar)氏によると、マグロ、サメ、ウミガメ等の捕食動物が減っていくと、クラゲがそれらに食べられることがなくなるだけでなく、食物を争う相手もいなくなるため、ますますクラゲが繁殖するという。

また、気候の変動もクラゲの増殖に関係がある。地球温暖化によって海水の温度が上がると、クラゲの繁殖周期が伸び、クラゲの増加に拍車がかかる。魚と違って、クラゲを食するのは一部のアジア地区のみであるため、あまり捕獲されず、従ってクラゲを減少させることは難しい。

(翻訳・坂本)