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インタビュー:ドコモ、携帯クレジットの売上を3年後に1000億円へ

【ロイター6月1日=東京】NTTドコモの中村維夫社長は5月31日、ロイターとのインタビューで、携帯電話を使ったクレジットサービスの年間売上高を、早ければ3年後に最大1000億円にすると表明した。また、年内にはインターネット接続サービス「iモード」のトップページ上に、グーグルとヤフーを含め複数の検索エンジンを設置したい考えを示した。昨年度から加速させている海外事業者への出資については、有力な投資先としてインド、タイ、ベトナム、インドネシアを挙げた。

 
5月31日、NTTドコモの中村維夫社長は、ロイターとのインタビューで、携帯電話を使ったクレジットサービスの年間売上高を、早ければ3年後に最大1000億円にすると表明した(2006年 ロイター/Yuriko Nakao)
中村社長は携帯クレジットサービスの収益計画について「早ければ3年、遅くても5年で(会員数)1000万人は何とかしたい。年500億円から1000億円の売上を頭に置いている」と述べた。ただ今後は同事業に対し、昨年度のような大型出資戦略はとらない方針。ドコモは昨年4月に三井住友カードへ980億円を出資するなど、クレジットカード会社と業務提携を結んでいる。中村社長は「初期だったので、軌道に乗せるための出資だった」と述べ、ある程度は自力で加盟店や会員を増やせるとの自信を示した。

 ドコモは利用者が9000万人を超えた携帯電話市場の飽和をにらみ、通話やデータのトラフィック収入に依存しない事業の育成を急いでいる。その柱の1つとして、今年4月末に携帯クレジットサービスを開始。これまでに15万人の契約者を集めている。

 競合他社が力を入れ始めたインターネット接続サービスの検索エンジン機能の拡充については「年内に(iモードのトップページに)複数の検索ボックスを設ける」と表明した。グーグルは5月にKDDIと提携を発表し、ヤフーはソフトバンクの傘下にある。だが中村社長は「グーグルにしてみれば一社とだけ組むのは損。全部(の携帯電話事業者)を抑えたいはず。ヤフーもそうだろう。話をしていけばいい」と述べ、グーグルとヤフーの両方の検索エンジンを採用したい考えを示した。

 昨年度に再開した海外事業者への出資について中村社長は「決まったものは1つもない」としながらも、「いろんなところと話をしている」と述べた。「(出資先と)端末を共通化してボリュームを出したい」としたうえで「人口が多くて、共通仕様の電話機が使えるところがターゲットになる。インド、タイ、ベトナム、インドネシアはきわめて魅力的」と語った。ただ、具体的にどのくらいの出資額を考えているかは明らかにしなかった。

 中国の事業者への出資が次の投資案件として有力視されていたが、中村社長は「中国へ行くとなると(出資額が)三桁ではすまない。よく考えなくてはだめ」と慎重な姿勢を示した。中国はまだ第3世代携帯電話の免許が各社に割り当てられておらず、どの事業者がドコモと共通の通信規格を採用するかが不透明な状況にある。中村社長は「ウィンウィン(Win-Win)の関係になることがはっきりしないと株主に説明できない」と語った。ドコモは立川敬二前社長時代に、海外の通信事業者に総額2兆円を出資して失敗した苦い経験がある。

 <ウォークマンの名前はつけない>

 中村社長は、6月から本格的に開始する音楽配信事業にも言及。KDDIがウォークマン携帯の発売を発表し、ソフトバンクがiPod携帯を開発中と報じられていることについて「うちもソニーエリクソンから音楽対応の端末を供給されているが、ウォークマンという名前はつけない。ウォークマンは携帯電話になると機能を絞るだろうから、ウォークマンとは呼べない」と語り、対抗策を打ち出さない方針を示した。

 前年度に0.77%まで下がった解約率の今年度の見通しについては、番号ポータビリティ制度が今秋に導入される影響を受け「0.85%にまで上昇すると予測している」と述べた。

 (06/06/01 10:31)