中国は、推進している外国為替市場の改革の一環として、為替取引のプライマリー・ディーラー制度を発表した。ただ、トレーダーらはこの新制度によって人民元の上昇ペースが加速する可能性は低いとみている。
上海の欧州系銀行のディーラーは「今回のプライマリー・ディーラー制度の発表は、中国人民銀行(中央銀行)が金融政策の意図を示すのに主要国有銀行を使い始めたのではないかとのわれわれの疑念を裏付けるものとなった」と述べた。
また「中銀による直接の市場介入に比べれば、一歩前進したことになるが、人民元の為替レートについて最終決定権を持つのは、依然として中銀だ」と指摘した。
中国各紙に5日掲載された新制度では、中銀が指定した銀行は「プライマリー・ディーラー」として中銀と直接取り引きが可能となる。
先週発表した金融政策に関する報告書で、中銀は為替市場でのオペレーションを徐々に縮小する方針を明らかにした。プライマリー・ディーラー制度はこれを実現するための手段のひとつ。
中銀は新制度について「金融政策の効果的な実施を促し、人民元の適度で均衡の取れた安定性を維持するため施行した」としている。
[ロイター6月5日=上海]
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