中国大陸の妊婦、香港で出産ブーム

2006年06月23日 09時50分
 【大紀元日本6月23日】中国大陸から香港へ渡って出産する妊婦が近年増えている。香港病院管理局の統計数によると、2004年から2005年の間で1万3千人余に上る。香港現行滞在政策では、香港で出産した中国大陸の嬰児は出生証明書を提示すれば、香港の永住権の取得ができ、11歳になってからは香港身元証明を取得することができるからだ。

 調査によると、中国大陸の福建省、広東省などの地域では香港へ渡って出産する家庭が最も多く、目的はいろいろである。多くの家庭は、中国大陸より優れた香港の福祉・教育・民主自由を、子供の将来のために選択したという。中には大陸の「一人子政策」を免れようとする家族も少なくはない。大陸の計画生育の規定によると、両親は二人共中国大陸籍であれば、2人目の子供が生まれると、高い罰金が科される。罰金の金額は地域によって違うが、香港の隣市、広東省の深圳では、一人18万元(約250万円)。普通の家庭では2人目を妊娠すると、高額な罰金を支払えない為、強制的に子供を堕胎しなければならない。このような背景から、香港へ渡って2人目の子を出産する家庭も少なくはなかった。

 この出産するブームを受けて、仲介サービス業者も生まれた。中国の「南方都市報」の報道によると、深圳市の同サービス業の代金は、妊婦が香港へ渡った後の食事・宿泊と出産前後の介護・子供の出生証明手続きなどのサービスを含め、約1・8万元(25万円程度)。病院に支払う出産医療費2万~3万元をプラスすると、合計4~5万元(約70万円)を支払うことになる。深圳市婦幼保健院へ行くと、このサービス業の紹介カードを妊婦さん達に配っている仲介業者の姿が多く見られる。

 香港病院管理局によると、香港国立病院で誕生した嬰児の約30%が大陸人の子供である。大陸からの妊婦が多すぎる為、香港の国立病院に大きな負荷をかけているという。その数はまだ増えつつある。新界にある国立病院「屯門病院」を例にして説明すると、大陸からの妊婦の出産率は、2003年22・4%、2004年29.8%、2005年34・2%のように漸増している。

 香港政府はこの傾向を懸念している。大陸からの妊婦にとって経済の負担が重い為、入院前の検査はほとんど受けない。入院は出産の当日にし、しかも出産後はすぐに退院するので、病院による嬰児の健康診断はほとんどできない状態である。この為、嬰児の感染、脱水、先天不足の現象が増えた。これらの子は生まれてから香港に滞在する権利がある為、長い目で見れば、香港の将来の人口素質にマイナス影響を与える可能性も十分考えられる。

 香港政府はこうした傾向を抑制するため、昨年から大陸からの出産医療費を大幅にアップしたが、効果は現れていない。立法関係者らは現行香港滞在政策を見直すことも考えている。

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