米連邦準備理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.25%ポイント引き上げ5.25%とすることを決めた。
利上げは17回連続となり、全会一致で決定された。5.25%は、2001年3月以来の高水準になる。
声明では、インフレリスクに対処するため、一段の利上げが必要となる可能性があるとする一方で、最近の各種指標は、住宅市場の段階的減速や、金利・エネルギー価格上昇の遅効的影響を一部反映し、経済成長が今年のこれまでのかなり強いペースから鈍化していることを示している、と指摘。
そのうえで「総需要の伸び鈍化はいずれインフレ圧力抑制に寄与するが、当委員会は若干のインフレリスクが残ると判断している。これらのリスクに対処するため必要になる可能性がある、いかなる追加引き締めの程度と時期も、今後の情報によって示されるインフレおよび経済成長の見通しの進展によることになる」としている。
バンク・オブ・ニューヨークのシニア通貨ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「タカ派的な姿勢を示す十分な表現はない。依然として指標次第という姿勢を示している」と話している。
利上げは2004年6月以降、0.25%ずつ連続して行われている。利上げ開始当時の金利は1%と、1958年当時と同水準だった。
今後の見通しについて、エコノミストの間では見方が分かれている。
一部では、これまでの利上げ効果により、経済成長は抑制されインフレ圧力の緩和につながるとの指摘がある一方で、インフレを着実に抑制するには現在の金利水準では不十分で、さらに6%程度まで引き上げる必要があるとみる向きもある。
(ロイター6月29日=ワシントン)
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