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電話8000件、「駈け込み」2000件の相談を処理してきた玄代表(大紀元)

現代の駆け込み寺「新宿救護センター」代表:「日本人は方向性を失っている」

 【大紀元日本7月7日】家庭内暴力(DV)、借金苦、風俗での暴力団がらみなどで、行き場を失った女性たちが緊急に救援を求める、現代の駆け込み寺・NPO法人「新宿救護センター」が新宿歌舞伎町にある。同センター代表の玄秀盛氏(50)は、致命的な病気発見を機に、それまで経営していた事業から総て撤退し、四年前から当地で「救援活動」を開始、発足から460日間は24時間体制で頑張ってきたという。同センターはこれまでの四年間の活動で、電話で8000件、「駈け込み」で2000件の相談を処理してきたという。玄代表は4日、大紀元時報のインタビューに応じ、1万人を救済してきた立場から、日本現代社会の諸相についてその独自の認識を語った。

 -玄代表は、在日(韓国籍)だが、普通在日の人は、ハングルを広めたり朝鮮文化を保存したりという方向で活躍していることが多い。しかし代表は純然たる日本人を救済しているという認識で良いか?

 「特に(意識して)限定していない。人間であれば良い、言葉が通じれば・・・」。

 -「駆け込み寺」は、江戸時代から家庭内暴力で悩む女性が入っているようだが、玄代表のところも同様か?

 「多い。7-8割が女性。家庭内暴力、借金、風俗などで暴力団に追われる・・・等々」。

 -「駆け込み寺」に弁護士などの法的支援はあるのか?

 「半分はあるが、私の方法は六法全書に頼るのではなく、現実を直視する方法。法律で解決できないからここに来る。暴力団がらみの場合、(女性が)黙って逃げてくると親族に迷惑がかかるので、駆け込み寺に行くとの置手紙をして逃げる。相手の男は100%ここに来る」。

 -日本のNPO法人は、日本が献金社会でないため、どこも経済的問題を抱えているが、ここはどうか?

 「全く同様、日本の社会はボランティア精神が薄いようだ。私自身が本を書いたり、TVに出演したり、マスコミの前に出たりして稼いでいる」。

 -ここに来る人に何か共通点はあるのか?

 「結局、行くところが無い。警察、女性センター、福祉施設、役所など、どこに行っても横の繋がりがないため、結局はここに行き着く。人間そのものを見ていないマニュアル社会の弊害だ」。

 -玄代表は関西で成功した実業家だと聞いたが、なぜ病気を転機に救済活動を始めたのか、当時の心境は?

 「関西で事業をやっている時には、数億円の売り上げがあった。毎晩のように歓楽街で遊び、暴力団と喧嘩しても少しも恐ろしくなかった自分が、病気に罹り正直怖くなった。それで、すべてを投げ捨て、救済活動に入った。それが4年前、当時は24時間、460日間頑張った」。

 -玄代表は、関西出身なのに活動場所として関東の東京、歌舞伎町を選んだのは何故か?

 「当時、東京で会社を4つやっていたが、病気が発覚してすべてやめた。渋谷に住んでいたが、救済活動をするには、ここが最適だと思った」。

 -玄代表は、関西が地盤だが、関東との違いはあるか?

 「東京は流れが速い。人の流れが速いので、極端に言えば隣同士でも他人行儀、それだけ地方出身者も多く、その皺寄せは、女性に来やすい」。

 -これだけ駆け込み寺が流行るということは、日本社会に何か問題があるのか?

 「日本社会に限らず、極論すれば世界にも問題があるのだろう。各家庭にごみ箱があるように、これを(進んで)掃除しようとする人はいないはず。ここ歌舞伎町は日本でも有数の犯罪多発地帯、ここから発進したことに意義がある」。

 -日本社会の現在の大きな問題として「耐震偽装問題」があるが、玄代表はどう見ているのか?

 「小さいときから他人(教師)に点数を付けられることに慣れているから、廻りばかりを見て行動している・・・自分に自分で点数をつけることを知っている人間、自分の基準で活きている人間は、自分に正直に活きようとするからごまかして活きようとしない。他人にバレなければいい・・・第三者機関にさえ分からなければそれでいいという発想、自浄能力ゼロ、専門バカがこういうことをする。だから大学を出ればそれでいいというものでもない」。

 -社会保険庁の「年金使い込み」はどうか?

 「こういったことを一人でやるとスケープゴートになるが、組織ぐるみでやると合法的になってしまう。まさに『赤信号、皆で渡れば怖くない』という図式。金にもなるのでなくならないだろう」。

 -「オウム問題」のようなカルト宗教についてはどうか?

 「こういったカルトの問題は増えるだろう。なぜなら、(日本人の)精神が不安定だからだ。日本は宗教が自由な国で団体数は2万以上あるだろうが、これほど宗教に無頓着で、これを軽んじている国はない。カルトに洗脳されるのは、大学出の頭でっかちで、他人の基準で幸せになろうとし、人を押しのけて生活しようとする。こういった問題はさらに潜在化し、現在でも進んでいくだろう」。

 -カルトに染まる人間は、その人自体に何か問題があるのか?

 「日本の教育は大学を目指す教育だが、しかしその先にあるはずの一流企業、終身雇用などのアイデンティティーが崩壊してしまった。目標を失った精神が、大学の宗教サークルなどで勧誘され仲間と連帯する。ぬくもりを感じる。ずるずると引き込まれ、なくならないだろう」。

 -朝鮮半島の統一についてはどうか?

 「それはやっぱり、38度線はなくなった方がいい。しかし思想的に難しいのだろう。日本にいても、私はやはり韓国人なのでそれは希望している。太陽政策というが・・・いかがなものか」。

 -中国の民主化についてはどうか?

 「将来必ずやそうなるであろう。経済が開放されている一方で、一党独裁というのは必ずどこかでひずみが来る。インターネットによる情報流通もこれに加担する。(民主化は)自然の流れで、誰も止められない。国家と国家とのボーダーラインさえ希薄になるだろう。内在した矛盾がいつ爆発するか、北京五輪まで国家が必死に統制に回るであろうが、言論はとめられない」。

 -日本社会に噴出する種々の大きな問題、耐震偽造、官僚腐敗、いかさまビジネスなどは、人間性に根ざした問題か?

 「大学出の役人指導、役人天国がその根本にある。一党独裁のようなもので、政治家も国家としての価値観がなく、問題を先送りにしている。移民などを積極的に受け入れない鎖国政策、アジアを重視しない外交も問題だろう」。

 -日中関係、特に靖国問題についてはどうか?

 「それぞれの国に内在しているものがあろう。中国はこれでガス抜きをして、仮想敵国を作らないと党の体制維持が難しいのだろう」。

 -村上ファンド問題など、一連の「M&A」騒動についてどう見ているのか?

 「総じて日本では、企業は人なりの価値観。これに対し、アメリカかぶれの人間が、M&Aを振り回したところで、第一に金の儲け方、使い方が悪い。本当にアメリカの精神をまねたいのなら、4兆3000億円寄付した人ではないが、どこか社会に還元しなくては・・・・ホリエモンもそうだが飛行機を買っている場合だろうか!?社会への還元を忘れなければ、あのようにマスコミに叩かれることもなかっただろう。日本人は確かに金持ちになったが、心が貧しい。だから自殺が多い。世界でも有数の自殺率だろう・・・日本の教育は拝金主義で、成功した人が偉いというが、失敗から学ぶのが本筋なのではないか?陰徳という言葉があるように、日本人は徳目を忘れてしまった。方向性が間違っている」。

 -先ほど「心の貧しさ」を指摘したが、ではどうしたらいいのか?

 「まず周囲に感謝すること。周囲があって自分がある。空気だって当たり前に吸っているが、野菜だって中国から輸入している。原点に帰るべき。心の腐敗が、現実の社会問題に直結する」。

 -駆け込み寺の相談者の約三割は男性ということだが、どういった事情なのか?

 「日本経済が後退し、終身雇用が崩壊した50代が多い。名刺社会なので、リストラされると自信を喪失し、ギャンブルなどに走ってしまう」。

 -欧米のこういったシェルター施設は、キリスト教会が運営しているが、代表のバックボーンは何か?

 「特に宗教的なものはない。お経で人は救われない。実業家としての経験が基盤となっており、現在50歳であるが、60-70代の人が来ても、人生経験は自分のほうが優に三倍はあるだろう。借金問題など、救済した事例でも、それを証明している」。

 -女性は弱く、男性は強く、従って家を追われるのは常に女性という図式は将来も変わらない?

 「ジェンダー・フリーの時代なのでそうとも言えないだろう。しかし、一般的に文明国では女性は強く、後進国では女性は苦しいだろう」。

 -韓国、台湾、日本では女性が政治のトップ(大統領、総統、総理大臣)になった例はないが、将来あると思うか?

 「あるだろう。男性だって、結局女性から生まれてきたのだから。私は女性を敬っている」。

 -日本の少子化についてはどうか?

 「環境が悪い。子供を生み育てる環境ではない。東北では産婦人科を見つけるのも難しく、国の手当ても少ない。家庭内暴力、受験戦争も宜しくない。子供は動物と同じ、放して遊ばせればいい。小さい時から箱入りにすると、チンタラした大人しかできない。核家族も問題、もっと老若男女が融和した社会を作らねばならない」。

 -実際の暴力団と対峙して恐怖心はないか?

 「暴力団というものは、小心者で弱いから徒党を組む。そうでなければ、徒党を組む必要はない。私には、知恵、度胸、力があり、座右の銘は、一日一生。今日を活き切るので、恐怖心はない。台湾だろうが、韓国だろうが、日本だろうが、暴力団は皆同じ。男同士で喧嘩をして怪我するのは(男の)勝手だが、女性を殴るのは、それでも男か!?と言いたい」。

 -代表の宗教的バックボーンは、天台宗ということだが、それはどのような影響を与えているか?

 「酒井・大阿闍梨の元で、お経ではなく、人を学んだ。法を見る前に人を見ろ、だろう。京都比叡山で、千日回峰行を二回達成した人で修行僧だ。たしかにアイデンティティーの一部になっているが、あくまでオレ流でやっている」。

 -カルトの霊感商法についてはどうか?

 「精神的な不安定性につけこんで、幸福の切符にかこつけて売りつける詐欺だ。マインドコントロールが効いているので始末が悪い」。

 -日本社会に潜在的に蔓延するネットワークビジネス、いわゆるネズミ講の問題は?

 「一攫千金を狙って学生から入るのが多いのだろう。最近では連鎖法で処罰されるから鳴りを潜めているが、外資系だと日本の法律では弱い面がありさらに巧妙、100人いたら5人だけが受益し、95人が犠牲になる。これもやっぱりサークル系で絶えず集まる」。

 -集まるとは、やはり精神的な寂しさに付け込むということか?

 「教育にも責任がある。こういったことを全然教えていない。日本の教育では、お金、セックス、宗教はタブーだがその辺も作用している。こういったことを教えないと、ぜんぜん免疫力がなくなる。こういった面では、日本は後進国。日本の経済は、集団では先進国だが、各個人は後進国なので、そこをネズミに狙い撃ちされている。白人崇拝?黒人崇拝?外人崇拝!?そんなことをしているから・・・・」。

 -日本は戦後、ポルノが大量に米国から流入したが、これについては?

 「米国のように規制が入っていない。中途半端に入れるから青少年のレイプが多発している。先進国と言いながら、青少年がコンビニでこういったものを見ることができるのはオカシイ。日本の性犯罪に対する処罰は欧米に比べて軽すぎる。再犯率も高い」。

 ‐他に特に日本社会の問題点は?

 「日本は先進国でありながら、暴力団が堂々としている。暴対法があり、暴対法といいながら、どうしてそうなのか?外国では、普段は普通に生活し、たまに秘密会合をしているだけだ」。

 ‐日本の教育の場では、戦後に国旗と国歌に対する取り扱いが180度転換したが?

 「現状としては、これほど悲しいこともないだろう。教育の場は確かにそうだとしても、ではどうして五輪の時は国旗を掲揚するのか?矛盾ではないのか?頭でっかち集団の弊害だろう。こういったものの取り扱いは、国が押し付けるものではなく、家庭などで自然に育むものだろう。矛盾大国だな」。

 ※玄秀盛氏プロフィール;1956年、大阪市西城区生まれ。在日韓国人として出生し、複雑な家庭で育ちながら、中学卒業後に数々の職業を経験し、事業を起こし、会社10社を経営した。師匠は京都比叡山延暦寺の酒井・大阿闍梨。平成12年に白血病のキャリアと判明、生き様を180度転換し、事業を捨てて「救済活動」に入る。平成14年5月、NPO法人ソーシャル・マイノリティ協会を設立。現在でも毎日のように電話相談、「駆け込み相談」が相次いでいる。

 新宿救護センターに関する問合せは下記まで:

 メールアドレス:info@jsma.jp(ホームページ www.jsma.jp/)

 〒160-0021

 東京都新宿区歌舞伎町2-42-3

 NPO法人 日本ソーシャル・マイノリティ協会

 新宿救護センター所長 玄 秀盛

 ℡03-5291-5720 Fax03-5272-2401

 (06/07/09 05:00)