7・5ミサイル案件以降、平壌当局「四つの不可思議」

2006/07/19 11:50
 【大紀元日本7月19日】2005年第5次「6カ国協議」直後、米国は北朝鮮の偽造紙幤問題を指摘して、マカオ外為銀行(BDA)の北朝鮮資金を凍結した。以後、北朝鮮は「金融制裁を解除しなければ、会談には出席しない」と公言したが、米国はこれに応じなかった。

 結局北朝鮮は、去る 5日 「デポドン 2号」を含むミサイル7基を発射した。

 北朝鮮は軍事的「恫喝」として明らかな、「スカッド・ミサイル」と「ノドン・ミサイル」などを同時に発射することで国際社会の耳目を集めた。

 これにより、国連安保理の対北制裁決議案が推進され、中国の武大偉・外交部副部長は急遽平壌を訪問した。同副部長は、非公式にも「6カ国協議復帰」を力強く促したが、北朝鮮はこれを受け入れなかった。

 ここに安保理は 16日、とうとう北朝鮮に友好的だった中国とロシアまで参加した「対北朝鮮決議案」を満場一致で通過させた。今回の「対北決議案」は、 6・25 戦争以後、安保理の北朝鮮に対する二度目の決議案にあたる。

 このような事案の大切さを勘案すれば、米国の金融制裁措置から、ミサイル事案、安保理決議につながる過程で、北朝鮮が見せて来た一連の態度に、いくつかの疑問点があるので考察してみる。

 1. 金正日はどうして マカオ外為銀行の2400万ドルに執着しているのか?

 まず、「北朝鮮がマカオ外為銀行の口座50個余に預金されているとみられる2400万ドル(約24億円相当)にどうしてそのように執着しているか?」という点だ。2400万ドルはもちろん大きい金額ではある。しかし金正日が運転する統治資金に比べれば、事実「端した金」とみられる。

 金正日が息子の誕生日に買う贈答品の費用が、 100万ドルだった(金正日の元側近・李韓英氏の証言)という事実を勘案すれば、この金額は決して大きくない。

 金正日の機密費と知られたこの資金が、金正日政権維持に絶対的な影響を与えることができる規模ではないにもかかわらず、北朝鮮が一貫して 6カ国協議復帰の先決条件として、米国の金融制裁措置解除を要求していることは、単純に 2400万ドルが問題ではない。

 この措置によって世界の銀行が奮って北朝鮮と取引を避けている上、最近ではベトナムとモンゴルにおいてまで、送金及び現金引き出しに制約を受けており、一般貿易取引に対する決栽まで影響を与えている。

 また、マカオの銀行だけではなく、スイス秘密銀行にも45億ドルとみられる金正日の機密費が預金されていて、金正日は マカオで一度躓けば、最後まで挫折しかねないという判断の下、いわゆる金正日式「強腰外交」に固執していると分析される。

 2. どうしてミサイルを大量発射したのか?

 二番目、「北朝鮮がどうしてミサイルを一斉に大量発射したのか?」という部分だ。去る 5日未明、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)「デポドン 2号(射程距離 6,000~10,000km)」を含め、スカッド・ミサイル(300~500km)とノドン・ミサイル(1,300km 内外) などミサイル 7基を同時に発射した。

 これが持っている意味は、何より対米、対日、対韓の総てに向けた警告と解釈することができる。これと共に、数発を同時発射した背景には 、「デポドン 2号」の 「意図された失敗」に対して、国際社会が北朝鮮のメッセージを正確に読むことができない可能性を念頭に置いた可能性がある。即ち、もし北朝鮮がデポドン 2号を1発だけ発射して「意図された失敗」を演出した場合、国際社会が「意図された失敗」ではなく、「本当に失敗」したと受け取る可能性が高い。

 こういう場合、中東などの地区にミサイルを売却するのに支障をきたす可能性がある。また同時多発で発射することで、金正日が米国と日本など強大国たちに対立する「将軍様の威力」を誇示でき、北朝鮮軍内の内部結束を押し堅める效果も狙ったとみられる。

 3. 北朝鮮はどうして中国の説得を最後まで無視したのか?

 三番目、「北朝鮮がどうして中国の非公式 6カ国協議提議を最後まで無視したのか ?」という点だ。中国は北朝鮮のミサイル発射後、国連安保理の「対北決議案」採択を控えて、武大偉・外交部副部長を平壌に急派して、北朝鮮の非公式 6カ国協議復帰と 「モラトリアム」(ミサイル発射猶予)宣言を説得したが、金正日は武大偉・副部長に接見しなかった。

 これは北朝鮮自ら、「今は交渉する時期ではない」と判断したようにみられ、イランに集中している国際社会の関心を、ミサイル発射を通じて北朝鮮を向けさせようという計算された行動ともみられる。国際社会の関心事を北朝鮮のミサイル問題を中心に回す場合、固持し(続けて)有利な(条件で)交渉に出るのみならず、「精一杯身の代金を上げることができる」というその間の経験から出た行動と解釈される。

 特に、北朝鮮に友好的な中国の積極的な説得と仲裁にもかかわらず、中国の助言を受け入れないことは、「核ミサイル問題だけは中国の言葉を聞かない」という明らかな意思表現だといえる。

 4. 北朝鮮の外務省はどうして急に対応していたのか?

 最後に、16日満場一致で通過した国連安保理の 「対北朝鮮決議案」に対して、異例的に速かに「国連決議案を全面排撃する」という北朝鮮外務省の立場発表があったという点だ。

 これに先立ち、パク・キルヨン北朝鮮国連駐在代表部大使は、国連決議案通過後のたった45分後に、「こんな卑劣な政治的行動は、北朝鮮を孤立させ圧力をかけようとするもので、私たちは安保理決議を全面的に拒否する」「制裁案を行動で敢えて撥ね返そうと思う場合、少しの躊躇なしにより力強い措置を出す」と警告した。

 これは去る 5日の北朝鮮のミサイル試験発射以後、去る 98年とは違いすぐ翌日に北朝鮮外務省スポークスマンの対談を通じて、ミサイル発射に対する立場を明らかにしたこととも連動される。過去に北朝鮮が見せた態度と違い、今回のミサイル案件と関連して、事案別で即刻の反応を見せている点を注目する必要がある。

 これは北朝鮮がミサイル発射などの「崖っぷち戦術」を展開しながら、「米朝両者会談」を促しているにもかかわらず、ブッシュ政権の一貫した会談拒否の立場で、北朝鮮の戦略戦術に巻きこまれないことに対する金正日の「焦燥感」の発露とみられる。金正日自ら、心中忙しくなっているという証拠でもあろう。金正日の「行けるところまで行って見よう」という戦闘的姿勢は、国際情勢の流れを正確に把握することができず、自分が過去に成功した道に拘泥しているという点を示唆している。

 もう中国とロシアが安保理対北朝鮮決議案支持で北朝鮮の挑発的行為に警告を送っているという 「現実」を無視しているのだ。

 
パク・ヒョンミン記者 phm@dailynk.com


関連記事
注目記事
^