市場にあふれる偽カシミヤ製品 英紡績業協会が調査

2016/02/24
更新: 2016/02/24

   寒い冬を乗り切るアイテムとして、薄手で保温性の高いカシミヤ100%のセーターやショールは依然として人気が高いが、英国のカシミヤ&キャメル・マニュファクチャラーズ協会(CCMI)の会長、カール・スピルハウス氏は、同協会が店頭販売されているカシミヤ製品を調査したところ、カシミヤ混率の表示が実際と異なる製品が非常に多く流通していると発表した。英紙デイリー・メールが21日に報じた。

   また、2年前にローマ市当局が中国の製造業者による偽カシミヤ製品100万着を摘発した際に、それらの主な原材料はアクリル、レーヨン、ビスコースといった化学繊維で、その中にネズミなどの動物の毛が混紡されていたことも報じられている。

   英エジンバラ・ウーレンミル社は、政府の検査機関から同社が生産する100%カシミヤショールに表示原材料以外の材料が混入していることが指摘されて提訴されているが、同社はこの訴えに対し、全面的に争う姿勢を示している。

   報道は英民間団体の調査に加わった報道関係者の話として、虚偽の原材料表示は実際には広く行われており、業界ではもはや公然の秘密だと伝えた。

   紡績業界に関わって40年以上になるという英国の業界関係者は、世界の年間カシミヤ生産量が7500トンであるのに対し、現在市場に流通しているカシミヤ100%をうたった製品はこの量をはるかに上回っていると指し示し、実際には製品の多くに化学繊維やその他の動物の毛が使用されているはずだと指摘している。またこの人物は、以前に中国のカシミヤ製造工場を見学した際、従業員が機械を使ってその他の繊維を細く加工し、カシミヤ製品に混ぜ込みやすくしているところを見たことがあるとも語っている。

(翻訳編集・桜井信一)

関連特集: