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米地区連銀総裁ら、利上げ局面は終了間近と示唆

 米地区連銀総裁らは31日、米経済減速の徴候が表れ始め、米連邦準備理事会(FRB)が過去2年にわたり続けてきた利上げ局面は終わりに近づきつつある、との見方を示した。

 ただ、コアインフレ率が望ましい範囲を上回っていることで、次回8月の連邦公開市場委員会(FOMC)と、利上げ局面の終点に関する見通しが困難となっている。

 米サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は、利上げを十分に行わずインフレ上昇を招くか、過度の利上げを行って景気を減速させるか、FRBは双方のリスク均衡に努めており、金融政策は「微妙な」段階にある、と指摘した。

 イエレン総裁は、サンフランシスコのゴールデン・ゲート大学で講演し、現在のフェデラルファンド(FF)金利は「およそ適正な水準に接近」していると述べ、インフレが実際に低下する時点までFRBが利上げを続ける必要はないと語った。

 また、米セントルイス地区連銀のプール総裁は、8月FOMCでの利上げの必要性について、五分五分との見方を示した。ケンタッキー州ルイビルで講演した後記者団に語った。

 市場では、この発言について、インフレ懸念を重視するプール総裁にしては比較的ハト派的な内容だとの見方が広まった。

 プール総裁は、FRBはインフレ抑制に必要な措置はとるがそれ以上のことはしないと述べ、「必要以上に過酷な政策」に対して警告した。

 イエレン総裁は、FRBによる政策措置の効果が実際に経済に表れるまでに時間的ズレがあることや、コアインフレ率が「失望を誘う」内容であることから、利上げ局面の終点を見極めるのは「微妙」だ、と述べた。

 プール総裁は、インフレ関連指標について「当局が以前考えていたより圧力が強まる傾向にある」とし、FRBの課題を困難にしていると述べた。また、エネルギー価格上昇がその他の価格にも波及している徴候がみられると指摘した。

 イエレン総裁は、エネルギー価格上昇が、経済成長のほか、とりわけ利上げで購買力が既に低下している消費者に及ぼすネガティブな影響について強調。「エネルギー価格上昇により、消費者支出は徐々に抑制されるだろう」と述べた。また、住宅市場の冷え込みが経済成長を減速させる主因になると警告した。

 JPモルガン・エコノミックスの米国エコノミストは顧客向けリポートで「イエレン総裁は、インフレよりも、経済成長に対するリスクに注目していることを明示した」と述べた。

(ロイター7月31日=サンフランシスコ)

 (06/08/01 09:46)  





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