ポールソン米財務長官は1日、社会保障システムを長期的に維持していく上での負担増が米国経済の重要課題になるとの認識を示すとともに、強いドルが米国にとって利益になるとの考えを強調した。
7月の財務長官就任以降、公の場では初めてとなるコロンビア大学での講演で同長官は「強いドルはわれれれの国益にかない、為替の価値は基調的な経済ファンダメンタルズに応じ、開かれた競争的な市場で決められるべきと確信している」と述べた。講演前に出演したCNBCのテレビ番組でも同様の見解を示した。
米経済については、力強いとする一方、過去数年間の持続不可能な急成長を経て一段と緩やかで持続可能なペースに移行していると指摘。「経済は1990年代半ばに見られたような、一段と持続可能な成長へと移行しているもようだ」と語った。
また、年金財源の強化に向けて、党派を超えて協力を求めていくと強調。さらに、企業の不正会計やエンロン、ワールドコムなどの破たんを受けて作られた厳格な企業規制については、今後一部緩和することを求めていく可能性を示唆した。
長官はCNBCテレビのインタビューで「強いドルは米国の利益」と述べるとともに、中国が世界不均衡是正に向けて外国為替政策で柔軟性を高める必要があると指摘。さらに、為替相場が開かれた競争的な市場で決められるのが最善との見方も示した。
長官は、これまで70回程度は訪れているという中国について「中国は自国の通貨に関し一段と柔軟性を示す必要がある。それは疑いのないことだ」と述べた。
さらに、人民元が一段と柔軟化すれば、米国や他の国々はその恩恵を受け、過熱状況にあるとみられる中国経済の減速を後押しすることにもなると指摘。「中国は資本市場の発展に向けて、さらになすべきことがある。われわれは中国に対し市場開放を働きかけていくつもりだ」と話した。
米財政赤字問題は改善してきており、管理は可能であると指摘。政府支出の抑制に努めていくとも語った。
(ロイター8月1日=ニューヨーク)
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