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ロシア環境監督当局、「サハリン2」の停止求め提訴

 ロシアの環境監督当局、天然資源監督局は5日、英蘭系国際石油資本(メジャー)、ロイヤル・ダッチ・シェルが主導する大型液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン2」について、同国の環境規制を順守していないとして、モスクワの裁判所に提訴したと発表。「サハリン2」にさらなる圧力をかけた。

 天然資源監督局は声明で、訴えが認められればプロジェクトは停止せざるを得ないと指摘した。

 「裁判で環境関連報告の取り消し請求が認められれば、『サハリン2』プロジェクトの事業および関連する他の事業は、新たな報告が出され、すべての環境関連法違反が解消されるまで禁止される」としている。

 「サハリン2」をめぐってはロシア当局が反発を強めてきており、アナリストらは、原油価格が最高値を付けているなかで、ロシア政府が戦略的エネルギー産業に対する支配力を強化しようとしている、と指摘していた。

 ただ、ロシア政府が「サハリン2」の内容を変更するのは難しいとも指摘されていた。

 ロシア政府が圧力を強める背景には、ロシアの独占ガス企業カスプロムが「サハリン2」の権益25%を取得しようとしていることがあるとされている。

 ブローカーのルネッサンス・キャピタルのアダム・ランデス氏は、シェルがすでにガスプロムに権益を売ることに合意している、と述べ、今回の圧力はロシアの投資環境に悪影響を与えるもので不要なもの、と指摘した。

 「サハリン2」は、シェルが運営事業体として55%の権益を持つほか、三井物産<8031.T>や三菱商事<8058.T>も出資している。

 インタファクス通信は5日、三菱商事の関係者らの話として、シェルが現在持つ権益55%のうちの25%をガスプロムに売却することに合意すれば、三井物産と三菱商事が権益の一部をシェルに売却する可能性がある、と伝えた。

 ロシア天然資源監督局はすでに、陸上パイプライン2本の建設停止を命じた。

 シェルは、ロシア当局との見解の相違が解消しなければ、陸上パイプラインの建設は再開されない、としている。

[モスクワ 5日 ロイター]

 (06/09/06 08:49)