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9月5日、ポールソン米財務長官が今週アジアで国際デビューへ。写真は7月、財務省前で(2006年 ロイター/Jim Young)

ポールソン米財務長官がアジアで国際デビュー、米中関係活性化めざす

 ポールソン米財務長官が、いよいよ国際舞台にデビューする。9月に2回にわたってアジアを訪問し、国際的地位の確立と米中関係の再活性化を目指す。

 ポールソン長官は今週、初の外遊としてアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会議出席のため、ベトナムに向け出発する。

 スコウクロフト・グループのプリンシパル、ケビン・ニーラー氏は「重要なのは、財務長官の初の外遊先が、世界で最もダイナミックな国・地域であること。それは、米国の政治的な関心が続いている、あるいは高まっていることを示しており、当該地域でも歓迎ムードが強い」と指摘した。

 9月中旬には、シンガポールで開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席した後、中国を訪問する。

 2回のアジア外遊の間には、国際経済問題に関する講演も予定されている。

 アジア訪問中は、ポールソン長官の米中関係の手綱さばきに関心が集まりそうだ。

 財務長官就任で、2005年に2020億ドルを記録した巨額な対中貿易赤字問題を背負ったポールソン氏はいま、中国に為替相場の柔軟化を促すという政治的圧力を受けている。

 米製造業界や政界からは、人民元相場が上昇すれば、海外で中国製品が割高になると同時に、中国では外国製品の価格が下がり、貿易や投資フローの不均衡是正に寄与する、との声が多い。

 米金融サービス界が、中国銀行・保険市場への参入に熱心な一方、コンピューター、エンターテインメント、薬品の各業界からは、中国が知的財産権保護の約束を果たしていないと指摘されている。

 ゴールドマンサックスの会長兼最高経営責任者(CEO)時代に70回以上も中国を訪問して豊富な経験と人脈を築いたポールソン長官に対しては、中国の経済改革により忍耐強い姿勢を持ち、知財権といった貿易に関わる問題への対応はシュワブ米通商代表部(USTR)代表に任せるよう期待する声が多い。

 ブルッキングス研究所の中国関連責任者、ジェフリー・ベイダー氏は、ポールソン長官が、米中間の経済問題を広範囲な枠組みに組み込もうとするとみている。

 米政府は、偽米ドル札印刷といった違法行為のための資金が北朝鮮に流れ込むのを阻止するため中国の協力を得たい考え。米政府高官らは、中国国有銀行がマカオ支店にある北朝鮮関連の口座を凍結したことを歓迎している。

 しかし、ブッシュ政権の評価を問う国民投票とも言われる中間選挙が近づくにつれ、ポールソン長官も中国が経済改革を加速させている証拠を示すという圧力を多少感じるようになるとみられている。

 カーネギー国際平和財団のシニアアソシエート、アルバート・キーデル氏は、米政権が米金融界に対し、業界の優先事項について対応していることを示す必要がある、と指摘。

 ただ、たとえそうでも、秋に発表される米財務省の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政策報告書)で、中国を為替操作国に認定する可能性は小さいとみている。

 [ロイター5日=ワシントン]

 (06/09/06 13:24)  





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