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デフレ脱却判断、もうしばらく様子見たい=大田経済財政相

 大田弘子経済財政担当相は29日の閣議後会見で、8月全国消費者物価指数(CPI)を受けたデフレ脱却判断について、後戻りすることないかもうしばらく様子を見たいと述べた。ただ、政府が掲げている2006年度中のデフレ脱却については「これまでのところ、そのシナリオに沿った動きだ」とした。 

 8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比0.3%上昇となり、5月に0.0%となった後、3カ月連続のプラスとなった。物価判断について大田担当相は「海外経済動向など物価に与える影響を注視していきたい」と述べた。

 デフレ脱却判断については「物価が持続的に下落する状況は出口にきている」としながらも「非常に長く続いたデフレなので外的な経済によってまた(デフレ状況に)戻ることがないか、もうしばらく様子をみたい。ただ、政府の見通しでは06年度中の脱却がたてられている。これまでのところ、そのシナリオに沿った動きをしている」と述べた。

 一方、内閣府が物価の基調判断をみるうえで重視してき石油製品や特殊要因を除いた物価指数(コアコアCPI)については精査中だとしてプラスかマイナスかの言及を避け、「ゼロ近辺で推移している」とした。

 大田担当相はコアコアCPIについて「それだけをみるということはないが、国内の需給状況を反映するという意味ではコアコアは重要な指標だ」と述べ、引き続き、同指標を重視する姿勢を示した。

 今後の景気情勢を見るうえで関心が集まる米国経済動向に関しては「米国経済の基調はまだ強い。それを巡航速度に落としていく極めて注意深い経済運営がなされている」との認識を示した。

 金融政策への期待では「日本経済が目指すところについて(政府と)認識を共有し、政策運営を行って頂きたいが、基本的には、金利の決定は日銀が独立して判断することだ」と述べ、これまでの発言を繰り返した。 

 消費税引き上げの議論では、安倍首相や尾身財務相などが本格的な議論は来年の秋以降になるとの考えを示す一方、小泉内閣で7月に閣議決定した「骨太方針2006」では、2006年度をめどに結論を得るとしており、政策の一貫性が問われている。

 経済財政諮問会議の担当大臣として大田担当相は「国民負担を最小化していくのが総理の意向で、その方向に沿って議論していくことになる」とした。結論を得る時期に関しては「骨太では06年度メド」となっていることを強調。「いろいろな事情によって変わってくる。(06年度中にできないことも)ある」と述べ、06年度中に結論が出ない可能性に含みを残した。

 急増する社会保障関係費の安定財源として消費税を充てるとする「社会保障目的税化」に関しては、「具体的にどういうことを社会保障目的税といわれているのかわからないので、そこを明確にしたうえで議論が始まる」と述べるにとどめた。

[東京 29日 ロイター]

 (06/09/29 16:49)  





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