北朝鮮の核実験実施発表を受けて、休日の東京外為市場でも波紋が広がっている。休日明けの東京株式市場や債券市場の動向によっては、トリプル安懸念から円が対ドルで123円付近まで売られる可能性を指摘する見方も出ている。
<影響見極めへ日本株動向に関心、ドル買いの側面も>
東京市場が祝日で休場だった9日の外為市場で、日本時間の正午前に朝鮮中央通信(KCNA)が地下核実験を実施した報道したことが伝えられ、円や韓国ウォンに売りが集中。ドル/円は118円後半から8カ月ぶりの円安水準となる119円前半へ、ユーロ/円が149円台半ばから150円台前半へ上昇し、韓国ウォンも1ドル=960ウォン付近まで1%超下落した。
外為市場では「まさか本当に実験するとは思わなかった」(都銀)との声が複数出ている。中国を初めとする各国が事前から北朝鮮の核実験に批判姿勢を強めていたことや、事前の報道で可能性が最も高いとみられていた8日ではなく9日実施されたことで「少しびっくりした。一部でろうばい的な円売りが出ている」(別の都銀)という。
北朝鮮が実験を成功させたと発表したことで、地政学的リスクの高まりから、市場では円売りが進むとの見方が強まっている。核実験が実際に成功したのかどうか不透明な部分はあるが「休日明け後の日本株がポイント。事態が一段と緊迫して株価が急落するなどトリプル安懸念が強まれば、円は最大で2005年の安値を抜けて123円付近まで売られる可能性もある」(外銀)という。
ドル/円の上昇を見込む参加者の中には、ドル買いの要素を指摘する声も多い。6日に発表された9月米雇用統計で、非農業部門の雇用者増加数は5万1000人と事前予想の12万5000人を大きく下回ったが、8月の増加数が速報値の12万8000人から18万8000人まで上方修正され、6日の海外市場では「米国のソフトランディング期待が高まり、ドルが最近のレンジの上限を超えた。かなりドル買いに雰囲気が傾いた」(同)という。
<目先は120円付近の攻防か、円売りポジションの膨らみも懸念>
ただ、北朝鮮の核実験のみを手がかりに一気に円売りが進むとの見方も、まだ少ない。外為市場では、北朝鮮をめぐる国際的な緊張感は「今に始まったこととではない。数十年前から『万年脅威』の存在。北朝鮮の動きだけでに円売りに動いても、持続性がなく(しばらくすると円相場が反発するので)負けにつながるとの経験則が脳裏に焼きついている」(先の都銀)という。
高水準に膨らみきった円売りポジションも、一段の円売りを進めるうえでの足かせとなり得る。米商品先物取引委員会(CTFC)が6日に発表したIMM通貨先物の取組状況によると、円相場のネットショートポジションは10万4151枚と、2000年以降で最大規模に膨らんでいる。「120円にかけては、利益確定の円買い戻しが強まることも考えられる」(国内証券)という。ドル/円相場はまず、120円台から2005年の5月の安値121円付近の攻防になるとの声が多いようだ。
[ロイター9日=東京]
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