中国臓器狩り:世界各国の反応、中国当局の矛盾する反論

2006/10/12 10:31
 【大紀元日本10月12日】カナダ独立調査団が今年7月6日に、18種類の証拠を分析、調査した結果に基づいて、中国での臓器狩りの告発は事実であるとの調査報告書を公表した。その後、二人の調査員、デービッド・キルガー氏(カナダ外務省アジア大洋州前局長)と国際人権弁護士マタス氏は、国連を含め世界各国を歴訪し、調査結果を各国政府などに伝えると同時に、臓器狩りを一刻も早く制止することを訴え続けてきた。それを受け、欧州連合(EU)や、豪州、米国などの国では、国会議員らが強い関心を寄せ、真相究明に積極的な態度を表明している。9月下旬の国連総会でも、中国での臓器狩りが問題提起され、中国代表が実質的な回答を避けた。BBCは9月27日、中国での臓器移植の現状を潜入取材した内容を放送し、「臓器移植は中国では巨大産業と化している」と伝えた。国際社会において、臓器狩りの真相に関心が集まり、事実の究明を求める声が高まる中、中国当局の秦剛・報道官は、今年3月の死刑囚からの臓器提供を完全否認する発言を覆し、死刑囚からの臓器提供は本人の同意を得ていると発言を変えた。

 9月18日からジュネーブで開かれた国連人権理事会第二回会合において、9月20日の拷問問題の報告では、国連特別調査官のマンフレッド・ノーワック氏が昨年末の中国における現地調査結果を発表、中国では拷問が普遍的に存在、反体制者、法輪功メンバー、少数民族などへ組織的に行われていると報告した。翌21日、カナダ独立調査団のキルガー調査員は、大会で生きている法輪功学習者を対象とした中国の臓器狩り問題を提出、それの調査結果を発表した。それに対し、中国の国連代表が実質的な回答を避けた。「中国代表は我々の報告書の中で記述した情報源に反論できず、そのため、我々への人身攻撃と法輪功への誹謗中傷に走った」とマタス調査員は語った。

 また、調査報告書を公表してから、カナダ人調査員両氏は米国、フランス、ドイツ、英国、豪州などの国々を歴訪し、政府関係者などに調査結果を伝えると同時に、「中国当局に現地での国際社会による独立調査を要求、この地球上において前例のない残酷な犯罪をやめさせよう」と呼びかけ続けてきた。以下にて、各国政界関係者による反応の一部をまとめた。

 カナダでは、複数の国会議員が中国での臓器狩りへの国際調査に関して、政府はリーダーシップを発揮すべきと促す中、マッケイ外相は9月27日、国会外務委員会に対して、「彼ら(中国)の司法制度について心配しており、彼ら(中国)の民主体制、もしそれは民主体制と呼べるものならば、それについても懸念を抱いている」と発言した。マッケイ外相はまた、カナダが中国の民主状況に対してどのような援助をしていくのかの質問に、検討中だが中国の民主制度の確立に貢献できるとの見方を示した。

 欧州議会のスコット副議長は臓器狩り問題への関心を示し、今年5月下旬に、中国で三日間の現地調査を行い、監禁されていた法輪功学習者二人と面談した。また、スコット副議長は8月26日に、訪れた香港で法輪功への迫害真相を調査する連合調査団(本部、米国、略称、CIPFG)に参加すると宣言した。

 欧州議会は9月7日、欧州と中国の関係を論じる報告書の修正案を可決、その中で、中国当局に対し、監禁されている法輪功学習者や、人権弁護士・高智晟氏およびその他の人権活動家の釈放を要求した。

 最近ヘルシンキで行われたEUと中国のサミット会議で、フィンランドのトゥオミオヤ外相が直接中国の李肇星外相に、生きている法輪功学習者を対象とする臓器狩りの問題を取り上げ、中国の臓器狩り告発に関する独立調査を行うよう促した。

 一方、豪州、米国などの国では、一部の政治家は強い反応を示し、真相究明に積極的な態度を表明している。

 豪州外務省は8月16日、豪州政府はすでに中国当局に、法輪功学習者を対象とした臓器狩り事件について、中国現地での独立調査の許可を求めたことを明らかにした。また、労働党の外交事務スポークスマンのケビン・ルド氏は8月17日、豪州政府は独立調査団の展開を支持すると発表した。

 スウェーデンでは各政党の議員は9月4日、記者会見を開き、共同声明を発表した。その中で、中国当局は必ず臓器狩りの犯罪を止めるべきと要求、政府に対し、国連や、欧州連合、その他の国と連携して、国際社会によるすべての監禁施設への無条件な調査を受け入れるよう、中国当局に要求することなどを提案した。

 米国議会では9月29日、中国での臓器狩りに関する公聴会が初めて開かれた。議会議員とその関係者や、米国政府機構、シンクタンク、メディア関係者など100人以上が参加、カナダ独立調査団の調査員2人、アジア研究協会の会長で、法輪功のスポークスマン張而平氏、米ミネソタ大学のC.アリソン博士などの4人が証言陳述を行った。米下院の国際関係委員会のダナ・ロアバーカー議員は公聴会で、「我々はあの中国専制政権とのビジネスで経済利益を得ているからといって、この(中国で進行している臓器狩りの)犯罪を無視する訳にはいかない。米国政府は更なる行動を取り、この犯罪を終結させるべきである」と促した。

 また、約50万人の法輪功学習者がいるといわれている台湾では、9月26日に立法院(台湾の最高立法機構)において、中国での臓器狩りを非難する決議案などが可決されている。決議案には89人の立法委員が支持署名した。同日に、中国での臓器狩りの情報を正確に台湾人に伝え、台湾人を中国での臓器狩りに加担させないための法律整備や、広報などを行うための予算編成案も、立法院で通過された。

 BBCは9月27日夜のニュース報道で、記者による中国現地でのおとり調査の内容を放送した。駐北京BBC記者が、一般人を装い潜入取材を敢行、天津市第一中心医院を訪ね、おとり調査を行った。日本人ブローカーと思われる男性も登場し、日本語でインタビューに答え、死刑囚の臓器を再利用することは、社会貢献であり、良いことであるとの見解を示した。この男性は、死刑囚を処刑する時期は10月1日の国慶節の前がピークであるため、病院側は提供臓器の過剰現象まで現れたと示唆した。また、死刑囚の臓器は通常外国患者へ販売しているという。BBCは、この報道で臓器移植は中国では巨大産業と化していると指摘した。

 マタス調査員は、「我々が訪問した各国では、積極的に反応を示す政治家が必ずいる。…世界各国の一部の民主派の政党は我々を応援している。一部のメディアと非政府組織もこの臓器狩りに強い関心を示し始めている。我々が駆けつけたところでは、多くの人がこのことに関与し始めている……、大勢の人々は真剣にこのことを見つめ始めた」と述べた。

 中国当局の矛盾する反論

 中国衛生部(日本の厚生省に相当する)の黄潔夫・副部長が昨年7月に、国際保健機構(WHO)のマニラでの会議の席で、中国での臓器移植の提供者の大半は死刑囚であると認めていた。一方、臓器狩りの告発が出されてから3週間後の今年3月28日に、中国当局の秦剛・報道官は定例記者会見で、「中国で死刑囚が臓器移植のドナーとして使われているうわさは、真っ赤な嘘であり、中国の司法制度に対する悪意の攻撃だ」と発言した。しかし、9月27日のBBCの報道の翌日、秦剛・報道官は前回の発言を覆し、中国での死刑囚による臓器提供を認め、司法機構の審査を経て、死刑囚本人の同意を得ていると説明した。

 このように中央指導部の幹部の公表が二転三転し、互いに矛盾する中、当局の臓器狩りを否定する反論の信憑性を疑う声が上がっている。

 また、カナダ独立調査団の報告書が公表されてから、中国当局が一ヶ月の時間を費やし、報告書に二つの都市の所在する県が書き間違えたことを見つけ出し、それを理由に報告書を全般否定している。それについて、調査員のキルガー氏は、「確かに、私たちは地名をすこし書き間違えた。発見されたミスは、彼らが見つけ出せる唯一の錯誤である。中国当局は二箇所の些細なミスを用いて、報告書を誹謗している、世界においてこのような幼稚な政権は前例がない。しかしそのことを通して、中国当局は、120ページも及ぶこの報告書のその他の部分について、1ヶ月近く綿密に審査したことが露呈されている」と反論した。

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