高智晟人権弁護士の妻、家族への迫害を明かす電話録音

2006年11月27日 07時51分
 【大紀元日本11月26日】中国の人権弁護士・高智晟氏が逮捕されてからすでに3ヶ月以上が経過し、その間高氏の家族も自宅に軟禁されてきた。一家の安全を案じる妻・耿和さんは当局からの強い圧力のため外部に沈黙し続けてきたが、11月24日に初めて支援者の胡佳氏に電話を掛け、胸の内に秘めた苦しい本音を告白し、家族におかれるつらい現状を語った。

耿和さんと胡佳氏の対話の録音はこちらをクリック

 高智晟・人権弁護士は、社会の弱者層、特に法輪功への集団弾圧の違法性を訴え続けてきたため、今年8月15日に逮捕された。北京在住のエイズ感染被害者を支援する活動家である胡佳氏は高氏などの人権弁護士を強く支持し、高氏が逮捕されてから、国際社会に情報を発信し、高氏とその家族の救援などを訴えてきた。

 胡佳氏によると、11月24日午前11時55分頃、高氏の妻・耿和さんから電話があり、「初めは何を言っているのか、まったく聞き取れなかった。彼女は泣いてばかりだった」という。

 高弁護士が逮捕されてから、自宅には警官が24時間交代で居座り、幼い子ども2人と妻の耿和さん、耿和さんの70歳代の母親を監視してきた。耿和さんは当局から強い圧力をかけられたため、外部に沈黙を保ち続けてきた。その間、高氏の娘・格格さん(13)は登校する際に2度ほど尾行する警官から逃れることに成功したが、当局に電話で脅迫され、結局自宅に連れ戻された。軟禁中の耿和さんが支援者の胡佳氏に電話を掛け、自ら内情を明かしたのは初めてである。

 耿和さんが電話で明らかにしたのは、以下の通り。

 24日午前11時3半ごろ、熱を出していた耿和さんが買い物に出かけたが、男性の私服警官が貼りつくのように尾行していたため、もうちょっと距離を置くように要求した。身長約180cmの私服警官は尾行していることを否認し口論となり、罵声を発しながら、耿和さんに暴力を振るい、顔面を殴った。耿和さんは口から出血し、右手の小指の爪が剥がれ、服が破けたという。耿和さんは電話で「私はどうすればいいのか…」と泣き叫んだという。

 脅される子どもたち

 耿和さんは、この暴力事件のほか、これまでの経緯も語った。11月21日頃、警察は高氏の息子・天宇ちゃん(3)が預けられている保育所に行き、連れ出そうとしたが、保育所に堅く拒否された。

 娘・格格さんの学校では、3人の警官(男2人、女1人)が常に彼女を監視している。教室の廊下には警官用の3つの椅子と電気ストーブが置かれ、トイレにまでついて来るという。

 耿和さんは、「幼い子どもたちは本当にかわいそうだ。我が子に一体なにをしようというのか」と心配を漏らした。

 法的文書の提示がない

 耿和さんによると、これまでに家宅捜査を受けるときに一回だけ、警察から24時間有効の出頭証明書を見せられたという。それ以外の法的文書はまったく受け取っていない。高氏の逮捕についても、9月30日に警察から口頭で知らされただけという。「公安当局からは、私たちが犯罪容疑者と示されたことは一回もないが、外部からの手紙はすべて押収され、13才の子どもらと70歳代の老人を尾行し監視するのはどうしてか」と訴え、代わりに数ヶ月監禁されてもいいから、子どもたちや母親には安静な生活を確保してあげたいと警察に要求したが、応じてもらえなかった経緯を語った。

 高弁護士との面会

 逮捕されてから51日間音信不通の高弁護士と耿和さんが面会できたのは、10月6日に北京第二看守所だったという。面会時間は約20分で、「主人はかなり痩せていました。私の身体を気遣い、子どもたちのことも心配し、法律事務所の残務を処理し、在籍していた弁護士たちの再就職を進めるようにと話していた」と言う。

 高弁護士はすでに罪状を認めたと公安当局が説明したことについて、耿和氏は「そのような様子は見受けられなかった」と述べた。

 支援者・胡佳氏との決別を強要

 耿和さんによると、北京市国家保安大隊の劉衛と名乗る警官は、頻繁に自宅に現れ、軟禁された高氏の家族の近況を外部に流し続けている支援者・胡佳氏との関係を断ち切る電話を入れるように要求し続け、時には絶交する手紙を書くようにと強要されるという。

 10月21日、尾行する私服警官を振り切り、同級生の家に逃げ込んだ格格さんを連れ戻した際に、ある警官は格格ちゃんに、3点xun_ネ内に彼女の身柄を解放し、父親の高弁護士に会わせると約束し、代わりに外部に電話しないと約束する誓約書を書くよう要求した。30日過ぎた現在でも、警官の約束は実現されず、むしろ状況はさらに悪化したという。

 電話の最後に、耿和さんは自殺したいと思ったこともあると明かした。

 暴力を受けた日の夜、北京市公安当局の関係者は自宅に現れ、耿和さんに、「これに以上事態を大きくするな」「外部に言うな」などと要求したという。

 胡佳氏は、「中国国内の人権弁護士の草分け的存在とも言える高氏とその家族が受ける迫害の真相を全世界に知らせるべきだ。中国が構築しようとしている調和ある社会って、まさに人間地獄ではないか」と怒りの涙を拭きながら語り、国連人権理事会で、今回耿和さんが泣きながら証言した録音テープを公開し、中国の国連代表から説明を求めるべきだと提案した。

 胡佳氏自身も、高弁護士の案件の容疑者として、公安当局にすでに132日間にわたり監視されている。

 

 
(記者・高凌)


関連キーワード

関連特集

^