中印両国、トップ訪問前に、国境紛争問題に火花を散らす

2006年11月17日 09時34分
 【大紀元日本11月17日】胡錦涛・総書記の訪印を前に、中国の駐インド大使・孫玉璽氏(55)はこのほど、インドのテレビ番組で両国間の最も敏感な国境線問題に触れ、インド東北部のアルナーチャル・プラデーシュ州は中国領土であると発言した。それに対し、インドのムカジー外相は同州の主権はインドにあると反駁した。同州のトップシンガ省長は、中国当局に対し、即座に孫玉璽・大使を国内に召還するよう要求した。中央社が報じた。

 中国とインドは長い間国境線を巡って対立してきた。最近では、胡錦涛・総書記のインド訪問に伴い、インドの学者やメディアは相次ぎ論点を表明、今回の訪問で、国境紛争の解決案の提示に期待を示した。そのような状況の中、孫玉璽・大使はインドのCNN-IBNテレビの独占取材で、インド東北部のアルナーチャル州は中国の領土であり、中国はその地の主権を有していると発言、胡・総書記の訪問で解決案の枠組みの確立を期待しているインド側に対し、同大使は、両国の国境紛争は古くからの問題であり、広範囲に及ぶため、現時点において、この問題を解決できるタイムスケジュールはできていないと明言した。

 インド側は孫大使の発言に不愉快な態度を示した。ムカジー外相は、アルナーチャル州の主権は疑う余地もなくインドにあると反駁した。

 これまで中国に肩入れしていたインド左派共産党も中国側を批判する陣営に入り、「このようなインドの領土主権を侵犯する言論にどうして沈黙しているのか」とマンモハン・シン首相を非難した。

 一方、中国外交部は孫大使の発言の直後に釈明し、同大使の談話は国境紛争の問題を解決するための戦略目標を説明しただけとコメントした。

 アルナーチャル州の行政トップ、シンガ州長はCNN-IBNの独占取材で、中国当局の釈明を拒否する態度を示し、孫大使をすぐに国内に召還するよう要求した。

 中印国境間はネパールとブータンを挟む長い国境を接しているが、ほぼ全域がヒマラヤ山脈といった高山地帯であり、正確な国境はあいまいであった。その国境の解釈をめぐり、1959年9月から1962年11月までの3年間、武力衝突が続き、中国軍が圧倒的優位に戦闘を進めた。中でもアクサイチン(カシミールのチベット、パキスタンおよびインドの国境が交差する地域)は、1962年の中印国境紛争で中国人民解放軍に占領され、現在は中国の実効支配下にある。インドは、この3万8千平方キロメートルの地域は自国の領土と主張し、一方、中国はインドのアルナーチャル州(約9万平方キロメートル)は中国領と宣言し、チベット自治区の管轄範囲に編入するなど、帰属問題で両国は長い間対立してきた。

 アルナーチャル州は中国の西南部、インドの北東部に位置し、ヒマラヤ山脈南部の最も肥沃な土地であり、雨量が豊富で、亜熱帯気候に属し、チベットの主要交通道路に隣接、中国当局にとって戦略上の要所である。

 孫玉璽大使は、中国外交部報道官を歴任し、2002年に駐アフガン大使に就任、2005年に駐インドの大使に任命された直後、孫大使は中国メディアの取材で、両国の国境紛争の問題解決について、「友好的に協力し、相互に尊重と寛容を持って早期の解決を目指す」と発言していた。

 

 

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