中国鳥インフルエンザ:WHO、中国当局の感染情報隠ぺいを指摘、「予防対策の遅延を招いた」

2006年11月05日 11時44分
 【大紀元日本11月5日】世界保健機構(WHO)は11月1日、中国農業部は国内で発見されている新種の鳥インフルエンザウィルスのサンプルを提供していないと指摘、WHOの鳥インフルエンザの感染状況への追跡調査には多大な困難をもたらし、予防対策工作を遅らせる結果を招いたと批判した。

 中国外務省の報道官・劉建超氏は2日の定例記者会見で、記者から関連の質問を受け、「中国の関連政府部門はずっと積極的に全世界の鳥インフルエンザの予防活動に参加している、FAO(国連食糧農業機関)や、WHOなどの国際組織と綿密な協力関係を構築、国際社会とすべての鳥インフルエンザ感染情報とウィルスのデーターを共有している」と答えた。

  米国の時事評論家・司馬泰氏は、中国当局の否認は想定内のことと指摘、「当局は政権に不利な影響を与えるあらゆる情報を封鎖し、どうしても隠しきれないときに、あっさりと問題をうそぶき、あるいは頑として事実を認めない。そのような手法を常套手段として用いて、国民をバカにし、国際社会で公然に嘘と言い逃れを繰り返してきた」と分析した。

 BBCの報道によると、米国と香港の科学者は10月31日、新しく変異した鳥インフルエンザウイルス「H5N1福建型」は過去一年間、中国6省ですべての家禽類と人間の間で感染が確認されている、現在は、香港や、ラオス、マレーシア、タイなどで感染が発生と指摘した。

 
鳥インフルエンザが流行し、従業員らはマスクを付けた(AFP)

公表された研究結果によれば、2005年10月以降に実行された検査では、対象となった家禽類の中、多くは福建型ウィルスに感染したという。研究者は昨年7月から今年6月に、中国南部6省の家禽類市場で、5万3千あまりのサンプルを採取、後に1294例がH5N1型ウィルスに感染していたことが判明、すでに配列されている鳥インフルエンザウイルスの遺伝子390基の中、福建型ウイルスに属するのは68%に達し、266基となっている。

 WHO駐北京事務局のスポークスマン、ホール博士はAP通信の取材で、研究者と中国農業部の説明は、驚くほど食い違っていると明らかにし、「中国農業部がWHOにことの真相を告げ、定期的にウイルスのサンプルを提出しない限り、WHOは旧型のウイルスを研究し続けるしかない」と説明した。

 ホール博士によると、中国農業部は2004年から(WHOに)鳥インフルエンザのウイルスサンプルの提出を中断している。これは診断方法とワクチンを開発する上で重大な阻害になっている。

 ラジオ自由アジア (RFA)はホール博士の談話を引用し、「昨年末、我々は中国農業部に彼らが保有するサンプル提供を求めたが、いまだに、実現されていない。鳥インフルエンザへの監視システムを強化するために、我々は中国当局と情報やサンプル、彼らの監視システムを共有する必要がある」と報じた。

 AP通信の報道では、国際保健専門家が鳥インフルエンザなどの新型感染病に関する国際協力について、中国当局は提携を拒み続けていると非難していると伝えた。

 国連で鳥インフルエンザの予防を主管するバーロ氏は今年1月も、中国当局はいまだに鳥インフルエンザの人への感染サンプルをWHOに提出していないと非難した。

 米国の専門家は今年3月、米議会で開かれた中国の鳥インフルエンザ問題に関する討論会で、中国当局が国際社会と協力し、行動を透明化するよう求めた。

 去年5、6月の時に、中国北西部に少なくとも6千羽の野鳥が鳥インフルエンザに感染死した。WHOは同年7月20日、中国当局にこの感染事案の関連資料を提供するよう緊急よびかけし、隣接する新疆とカザフの国境地域での現地調査を要求したが、中国当局はその要求を積極的に対応しなかった。そのため、保健専門家らは、中国国内で発生している鳥インフルエンザの規模と危険性は、公表されている情報より遥かに深刻であるとの可能性を示唆した。

 駐中国WHO事務局のスポークスマンは、「中国当局は青海省で発見した鳥インフルエンザのサンプルを公表していない。もしその情報を国際鳥インフルエンザ研究機構に提供すれば、あるいはその遺伝子を遺伝子バンクに保存すれば、鳥インフルエンザの予防研究に大いに役立つ」と説明した。

 一方、中国農業部は昨年9月、管秩助教授(香港大学微生物研究者)が使っていた中国国内の汕頭大学にある関連研究室を強制閉鎖し、同氏がこれまでに集めてきた鳥インフルエンザウイルスのサンプルをすべて処分した。管秩助教授は、政治上の理由で研究が強制中止されたと抗議している。

 2005年以来、中国当局が公表した鳥インフルエンザの人への感染死の十数例について、大半は予兆がなかった。すなわち、人は感染死したが、その現地で鳥インフルエンザの発生が報じられていない。鳥インフルエンザが発生した記録もない。それではいったいこの人たちはどこで鳥インフルエンザに感染したのであろうか。国際社会はこの点を注目し始めている。

 

 (記者・辛霏)

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