北朝鮮難民救援基金ら、「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」

2006年12月21日 16時25分
 【大紀元日本12月21日】NPO法人「北朝鮮難民救援基金」と「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は10日、さいたま市中央区の「彩の国さいたま芸術劇場」で「映像とシンポジウムで語る北朝鮮」というイベントを開催、午後3時から文国韓氏(韓国の人権活動家)、李ミンボク氏(南に亡命した脱北人権活動家)、スザンヌ・ショルテ氏(北朝鮮自由化連合代表)、荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表)ら内外の人権活動家らが一同に会しシンポジウムを行った。会場には、北朝鮮問題に関心を持つ一般市民の外、ビルマ北部で人身売買などの人権侵害に遭っているカチン人女性らが民族衣装を纏って登壇、娘を人身売買の毒牙にかけられた母親が涙ながらに惨状を訴える一幕もあった。司会は、アジア・プレスのジャーナリスト・石丸次郎氏が勤めた。

 北朝鮮について十数年以上取材活動を続けてきた石丸氏は、先日まで中朝国境で脱北者十数人にインタビューしてきた経緯から、「北朝鮮内部の人権状況は全く改善されていない」「脱北者は日々減少している」と発言、北朝鮮内部の警備が厳格になり、脱北者が国境付近まで辿り着くのが難しい情況になっているとの認識を示した。また、中国公安当局は、以前に比較して、脱北者の取り扱いや国際人権活動家の長期拘束に神経を使うようになってきており、「これまでの国際的圧力は決して無駄ではなかった」との見方を示した。

 現在、韓国の人権活動家である文氏は、かつてビジネスマンとして中国を訪問、平壌外国語大学を卒業した脱北者と偶然に出会い、その人権状況を聞き愕然としたという。その後、1999年から中国で実際に脱北者の人権活動を支援するようになり、「ハンミちゃん家族」を含めた脱北者数十人の面倒を見ることとなり、当初は瀋陽の米国大使館に駆け込むことを企画したが、警備が厳重で断念、次ぎに隣接する日本領事館に狙いを変えて成功し、脱北者の存在を世界に映像として伝えることに成功したと述べた。

 
民族衣装を身に纏い訴えるカチン人女性ら

石丸氏は、ビルマ北部のカチン人の人権情況について言及、「ビルマは、アジアでも北朝鮮とならぶ独裁軍事政権、後ろ盾が中国だというのも似ている。そのカチン人女性が人身売買で、中国に売り渡されているのも同様だ」と指摘した。在日カチン人女性協会のコーディネータ発言者のマリップ・セン・プさんらは、「ビルマの中央軍事政権は、カチン州の少数民族に弾圧を加え、軍隊を派遣して村民を強制労働に駆り立て、若いカチン人女性を中国国内に売り飛ばし、それらカチン人女性は中国領内でSEX産業に従事させられている。早期に停止してもらいたい」と訴えた。

 
熱弁を振るうスーザン・ショルテ氏

米国の人権活動家・スザンヌ・ショルテ氏は、金正日総書記の政策が人民のためではなく、全てが自分の利益のためであると指摘、違法薬物を国内で生産し密輸、偽造ドル紙幣を使って政権基盤の安定に躍起になっているが、特に核実験を行い、この問題が国際的関心の的となれば「金正日の勝ち」、国内の人権状況が関心になれば「北朝鮮人民の勝ち」であるとの認識を示した。現在、六カ国協議が関心の的になっているが、特に日本には特有の役割があり、早期から「北朝鮮難民救援基金」などが脱北者の救援に尽力してきた。これは(隣人を助けるという)キリスト教的な発想であり、「私自身がキリスト教徒なので、特に感謝したい」と発言した。

 またショルテ氏は、中国公安当局の無慈悲な脱北者北送について、北朝鮮の国際犯罪を暴いて中国当局に突きつける必要がまずあるとの認識を示し、中国に圧力をかけるため、米国内の人権週間では、「北朝鮮の国際犯罪」「拉致問題」に焦点が当てられ、トロント、ワシントン、シカゴなどでデモが行われたと報告した。脱北者の問題には、根底に中国当局があるが、中国は金と五輪には興味があるが、人権には全く興味を示さないと痛烈に批判、「その冷酷な政策が、五輪の精神を殺している」として、五輪ロゴ・マークにスラッシュを入れたものを米国内の「北京五輪反対運動」のシンボル・マークとして使用していると述べた。

 
「風船作戦」を着想した李・ミンボク氏

金日成・前総書記の主体農法に反対して、95年に韓国に亡命した科学院の元農学者・李氏は、現北朝鮮政権が情報の開示に脆弱であることに気が付き、韓国政府に支援を求めたがとりあってもらえず、ラジオ放送は自前では金がかかりすぎるため、経済的に安価で確実に北に届く「風船ビラ作戦」を思いつき、実行している。一回の施行に数万枚のビラを仕込むが、この風船は、レーダーにかからず、音もせず、気性が純朴な北の人向けに簡単な文章で書かれ、北朝鮮領内の山の中に落ちれば、山菜採りに来た人たちが気兼ねなく読める外、中国領内に入った北の人間によれば、風向きによっては首都平壌にも落ちて、ラジオやテレビを遮断された市民にも影響を与えているという。李氏には、現在北朝鮮当局から懸賞金1万ドルが掛けられているが、「資金が足りなくなった時には、自らの身を差し出してまた風船を飛ばしたい」と発言して
風船作戦に使用される実際のビラ、ビニール製で防水

、聴衆の爆笑を誘った。

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