新型コロナ、子どもの拡散力は大人より弱い可能性=英疫学専門家

2020/05/21
更新: 2020/05/21

[ロンドン 19日 ロイター] – 子どもたちが新型コロナウイルスを拡散させる力は大人より弱い可能性があると英国の疫学者が指摘した。

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のロザリン・エッゴ博士は19日、貴族院(上院)科学委員会の公聴会で、感染した子どもが拡散させる力が大人に比べて弱い可能性を示す根拠が見つかり始めていると述べた。「子どもの拡散力が弱いことを示唆する手がかりがあるが、確実ではなく、確定にはさらに研究が必要」と説明した。エッゴ博士は、英政府の非常時科学諮問委員会(SAGE)で子ども間や学校での感染に関する部会のメンバー。同氏の研究ではこれまでのところ、20歳未満で症状が出る確率はかなり低いという結果が出ているという。

SAGEの委員で同大学院のジョン・エドモンズ教授は公聴会で、新型コロナの感染拡大に子どもたちが大きな役割を果たしていないことは驚きと指摘。「大半の呼吸器系ウイルスや細菌類の拡大において子どもたちは中心的な役割を果たすのに対し、新型コロナではそうなっていないようで、異例といえる」と述べた。

エドモンズ教授は、「通常は大半の感染拡大を学校と結びつけて考えがちだが、世界的に見ると、学校に関連した感染拡大例として文書化されているのは1件しかない。これは驚きであり、きわめて注目に値する」と述べ、フランスの中等学校で発生した感染拡大の研究例を挙げた。

*見出しと本文の一部表現を修正しました。

Reuters
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