シンガポール:中国領事館前の座り込み抗議事件で判決拒否、上訴する法輪功学習者「法廷審

2006年12月04日 10時39分
 【大紀元日本12月4日】在シンガポール中国領事館前で座り込み抗議した法輪功学習者が訴えられた案件について、シンガポール裁判所は11月28日に審理を開始し、同月30日午後に判決を下し、検察側が告訴した罪状が確定し、被告人の法輪功学習者2人に、それぞれ1000と1500シンガポールドルの罰金刑が科せられた。被告人らはの弁護士人の営業許可が取り上げられた上、自らが提出した証拠と4人の証人はすべて裁判所に却下されたことなどを挙げ、法廷審理が公平に行われていないと主張し判決を拒否、その場で上訴を決定した。一方、裁判官は刑を執行してから上告を受理すると裁決した。

 法輪功学習者3人が今年7月20日、在シンガポール中国領事館前で「7.20法輪功学習者に対する中共の非道な迫害にハンスト抗議/Stop Persecution of FalunGong in Ching」と書かれた横断幕を掲げ、平和的に座り込み抗議を行った。シンガポール警察は「侮辱的な文字を展示し、騒乱した可能性がある」との理由で、この3人を刑事告訴した。被告人の1人、73歳の陳培育氏は、法廷審理が始まる前に、警察の告訴が取り下げられ、8月21日に国外退去させられた。

 シンガポールのアルフレッド弁護士は、「中共による迫害が存在しなければ、騒乱行為と言えるのだが、迫害が事実であれば、どうして騒乱行為と定義できるのか、理解に苦しい」と話した。3日間の法廷審理期間中に、被告人の黄才華氏と余文忠氏は、法廷に複数の証拠を提示し、4人の証人を証人喚問するよう要求したが、すべて却下された。

 提示された証拠の中には、国連による法輪功に関する調査報告や、米議会の法輪功への集団迫害を非難する188号決議などが含まれていたが、裁判官は「本案と関係ない」との理由で証拠採用を拒否した。被告側証人の1人、瀋健氏は中国国内で法輪功修煉のために、幾度も監禁された。裁判官は瀋氏が事件発生当時現場にいなかったため、証言ができないとの理由で証人喚問を拒否された。被告人の黄才華氏は、当日に現場にいた当事者の1人陳培育氏を証人喚問するよう求めたが、「時間稼ぎ」との理由で裁判官に却下された。被告人らのそのほか2人の証人や、複数の証拠も法廷に採用拒否された。

 一方、原告の警察側も、証言する予定だった証人2人のうちの1人を取り下げ、証拠となるVCDの提出を取りやめた。審理を傍聴した王氏は、「案件の証人と証拠は非常に重要であるにも関わらず、法廷は被告人の証人を訊問せず、証拠の採用を却下した。その上、原告側の証人と証拠も撤回された。証人と証拠が乏しい中、裁判官はこの案件を成立させ、判決を出した、これはあり得ないことだ」と話した。

 同月29日、審理を早く終結させるためか、検察側は被告人に最終意見陳述書を作成するために、1日半の時間を与えたが、裁判官は半日間しか許可しなかった。それに対し、被告の黄才華氏は、「一般の弁護人がいるケースでも、最終意見陳述書は一ヶ月後に提出するのに、我々の弁護人は法廷審理直前に営業許可が取り上げられた上、半日間の準備時間しか与えてもらえない」と今回の法廷審理の不公正さを訴えた。

 翌30日、黄才華氏は抗議の意を示すため、最終意見陳述書の提出を拒否した。それに対し、裁判官は自己弁護する機会を放棄したと判定、当日午後、2人の被告人に対し、罪状成立の判決を出した。両被告人には、それぞれ1000と1500シンガポールドルの罰金刑が科せられた。

 法廷審理の直前に両被告人の弁護人の営業許可が取り上げられたため、両氏は法廷で自己弁護を行った。

 余文忠氏が30日午前に行った法廷陳述の概要は以下の通り。

 「私は中国領事館で座り込み抗議した目的は、中国共産党による法輪功への集団迫害の停止を要求するためである。これまでに、記録があるだけで、約3000人近くの法輪功学習者が虐殺された。記録がないケースを含めれば、その数字はもっと厖大である。多くの人々は、生きたまま臓器が強制摘出された。

 ある警官は証人として、我々が当時掲げていた横断幕は、侮辱と騒乱にあたる可能性があると断定した。しかし、その警官は、もし中国共産党の法輪功への集団迫害が事実であれば、その横断幕の文字は侮辱と騒乱には当てはまらないと認めていた。

 これまでの法的審理の過程において、我々は中国での迫害は事実であることを証明し続けてきた。国連の報告書や、米国ブッシュ大統領のこの迫害を非難する書簡、米国下院で全会一致で可決された(法輪功への迫害を非難する)188号決議、304号決議、カナダ独立調査団による中国での臓器狩りの調査報告書などを提出した。BBCや、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙などの国際メディアも中国共産党による法輪功への集団迫害を報道した。シンガポールの元首相李光耀(リー・クアンユー)もダラスで、「中国はどうして法輪功を迫害するのか」と疑問を呈していた。その発言から、シンガポール政府は迫害を知っていることを証明できる。30カ国において40数人の弁護士が参加し、全世界で約80例の訴訟が起こされている。

 法輪功への迫害は抹殺できない事実、その迫害は非常に残酷かつ卑劣である上、人類の文明に背く国家犯罪であり、しかもいまだに秘密裏に行われている。

 検察官は『我々が座り込み抗議したとき、中国領事館の関係者が私たちを写真撮影した。彼らは騒乱されて不愉快を感じている』と主張している。それは当然のことだ。殺人犯を暴露したら、その殺人犯が喜ぶはずがない。全世界の中国在外公館の前で、法輪功学習者が抗議活動を行っている」。

 現時点において、被告人2人は罰金の支払いを拒否しているため、監禁されている。彼らの上告はすでに許可されたが、保釈が認められていない。一般の状況では、上告の申請が受理された後は、被告人は保釈され、収監されずに上告の結果を待つことができる。

 (記者・李真)

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