帝京大学教授・高山正久氏が講演「歪曲報道」

2006年12月27日 06時04分
 【大紀元日本12月27日】元サンケイ新聞論説委員で「異見自在」などのコラム連載で知られ、「歪曲報道(PHP研究所出版)」の著書でもある、現帝京大学教授・高山正久氏(64)は16日、サンケイビル3Fで「正論を聞くつどい」で講演を行い、国内外の報道についての種々の問題点について言及し説明した。

 高山氏はまず「朝鮮半島の報道」について、既に冷戦構造が終焉を迎えた90年前後からすでに十数年が経過しており、ソ連が崩壊しているのに「誰も38度線で分断してくれ」とは言っていないと指摘、中東のクルド人、かつて清朝を起こした満州人、中国西端のウィグル人など一民族一言語の人々が国を持てない現実からすると、一朝鮮民族で国連二議席を持っているのは「恵まれ過ぎ」との従来から180度転回した見方を示し、「こういった問い掛けをするのが新聞だ」と述べた。

 また国内の在日朝鮮人の「特別在留権」について、米国などでは罪を犯した場合に懲役一年でも在留許可が取り消しになるが、日本では懲役七年まで滞在できるのは「おかしい」と指摘、広域暴力団の幹部で在日朝鮮人である場合は法務大臣が誰一人として追放措置に署名しなかったが、「新聞はこういったことを知らせるべき」と痛烈批判した。米国では市民権を得るのにコミュニティーカレッジに行って勉強しなければならないのに、日本は在日の帰化申請・在留許可が書類の提出のみで「簡単に降りすぎる」と指摘した。

 高山氏は、日本の報道姿勢に関し96年の「三菱自動車セクハラ事件」を例に出し、当時の三菱自動車シカゴ現地法人がその生産ラインで働く女性従業員からセクハラで訴えられ、米クリントン政権下の雇用機会均等委員会が集団訴訟として告発した件で、「本来あり得ないものが成立してしまった」と述べた。

 高山氏は、この訴訟の出所が政府の行政機関で、集団訴訟を受け付けた司法機関、これに呼応して立ち上がった米議会の女性議員、黒人議員らによる「三菱不買運動」は、三権連合による「陰謀」だと指摘、当時ロスアンジェルス支局勤務であった高山氏は、シカゴ現地に行き新聞報道のありように驚いたという。

 日本では、新聞は政府の「お目付け役」としてそのチェック機能を果たしているが、事件当時の米紙「ウォール・ストリートジャーナル」「ニューヨーク・タイムズ」などは一斉に「日本では女性の地位が極端に低い」とジャパン・バッシングを書きたてた。しかし、日本では家計は女房である女性が握っており「日本ほど女性の地位が高い国はない」と反論した。

 これは三権に新聞という第四の権力が加わった三菱への「恐喝」であり、国益のために「新聞は何ができるか」を考えさせる事件だったと指摘した。事件当時、高山氏は三菱取材のためにシカゴ現地に飛んだが、現場は米紙記者ばかりで溢れかえっていたのに、邦紙は一社も来ておらず、シカゴの日本総領事館も「ノータッチ」であったため、領事館関係者に「なぜ現地法人を弁護しないで知らんふりなのか」と詰め寄り、激怒したという。

 孤立無援の三菱は結果、3400万ドルをゆすり獲られたが、根底には東洋人に対する人種差別があり、サンケイ新聞ですら米国に対する敵対的な記事を「ご法度」にしていたという。クリントン政権の民主党は弁護士集団であり、三菱自動車の外に朝日ペンタックス、三菱ケミカル、東芝パソコン等が、米法務省を先頭に訴えられたのは、「組織ぐるみで滅茶苦茶だ」と斬り捨てた。

 こういったトラブルは、米国だけではなく中国でも同様に頻繁に見られるため、日系企業のこういった投資被害の案件については、「邦紙は勇気をもって報道すべき」であり、歴史的経緯と国際環境を勘案した上で、国難の際には「国益を代表すべき」と警鐘を鳴らした。

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