3000円のパソコンがインドで登場=教育向け

【大紀元日本8月3日】インドに世界一安いパソコンが登場した。

カナダ紙「トロント・スター」電子版によると今月22日、インド人材開発省のカピル・シバル大臣(Kapil Sibal)は、35ドル(約3000円)の教育向けインド製パソコンを披露した。米アップル社のiPadと同様のタッチパネル式タブレット端末で、インターネットやメディアプレーヤーにも対応し、ビデオ会議の機能も付いている。サイズは縦18センチ、横23センチで薄型、重さは約1.5キロ。通常のバッテリーの他に、電気供給が不安定な地方に配慮して太陽電池のオプションも備えている。

開発したのは、工学と科学技術の名門校・インド工科大学(IIT)とインド理科大学院(IIS)の研究グループ。同パソコンは3ヶ月以内に台湾で生産が始まり、早ければ来年から市販されるという。また価格を最終的には携帯電話なみの10ドル(860円)まで下げたいとシバル大臣は話している。

電子機器大手ヒューレットパッカードのスディール・ディキシット(Sudhir Dixit)インド研究局長は「教育制度の中でITに触れる機会は非常に増えている。政府の大きな支援により、どこの学校にもパソコンが備えられ、誰でもIT技術に触れることができるようになるだろう」と、安価なパソコンの役割に期待している。

インド政府は毎年3%の国家予算を子供たちの教育に充て、識字率向上を目指している。2001年の国勢調査によると、インドの成人識字率は63%と、経済発展の著しいBRICs諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国)内でも、90%以上の識字率となる他国と比べて低い水準だ。

人口12億人のうちインターネットユーザーは6千万人といわれるインドは、優れた科学技術者・IT技術者を輩出することでも知られている。IT情報紙「アイティメディア(ITmedia)」によると、NASA技術者の10分の1、マイクロソフトやオラクルの従業員の3割、IBMでは15%の社員がインド人だという。

教育向けの安価なパソコンの普及は、未来の技術者たちの育成に大いに貢献しそうだ。

(翻訳編集・郭丹丹)