中国国内消費低迷、低い労働賃金が原因=世界銀行

2007年02月23日 09時20分
 【大紀元日本2月23日】世界銀行の最新報告では、中国における長期的な消費低迷の原因について、国民の過剰な貯蓄傾向にあるのではなく、中国国内の労働賃金水準が経済発展速度に追いつかないからだと指摘した。アジア自由ラジオが伝えた。

 カナダのウエスト・オンタリオ大学の徐●慶(シュー・ディエンチン)教授(経済学)は、中国の労働賃金が非常に安く、貧富の格差が深刻であると指摘した。徐教授は「経済学における研究結果によると、中国のジニ係数が0・47に押し上げられた大きい影響とは、都市と農村の収入格差であるという。貧困層はほとんどが農村に集まっているからだ。中国の労働賃金は確かに低いし、貧富の格差が激しい」と指摘した。(●…さんずい+眞)

 徐教授は、大量の農民と労働者が低賃金集団であると指摘し、「農村から都市へ出た多くの出稼ぎの労働賃金は非常に低い上、保障されないものだ。彼らは社会保障もなければ、子女の教育費用も誰も面倒を見てくれないから、節約せざるを得ないのだ。これが中国の国内消費低迷をもたらした根本的な原因である」と分析した。

 一方、米シティー大学の周炬源・教授(経済学)も中国の労働賃金水準を評価した時に、地域差を考慮に入れなければならないと主張した。周教授は「沿岸都市、上海、北京など大都市における消費は高くなった。現在の消費水準は60年代から70年代の韓国と台湾に追いついている」と分析した。

 周教授は世界銀行の発表にも同調し、「消費はGDPのウエートを占める1つの要素であり、米国の場合は、消費はGDPの70%を占めている」と語り、さらに「GDPを構成する主な要素は、第1が国内消費、第2が投資、第3が政府の支出、第4が輸出から輸入を差し引いたものだ。しかし、今の中国は国内消費ではなく、投資と政府の支出ばかりを強調しているのだ」と指摘した。

 周教授は、国民経済における内需の比重を重視すべきで、経済成長率には限界があると強調した。同教授は「内需拡大には市場購買力を増長させなければならないことから、労働賃金を上げる必要がある。労働賃金が上がれば、経済成長率は必然的に下がる」と分析し、「物事の両側面から見る必要があり、内需の比重が大きければ、輸出超過が抑えられるからだ。実際、国際経済を研究する者は、少なくとも輸出超過が絶えないこと自体は、資金を輸出国に差し出しているようなものだとみている。何故なら、輸出超過とは全体的からみれば、輸出国(ここの場合は米国を指す)の国債を購買するようなもので、国内の貯蓄を外国へ移してしまうのと等しいからだ」と指摘した。

 世界銀行の報告は、GDPにおける消費のウエートを増加させ、労働賃金水準を引き上げるために、中国は余剰の労働力を新たに密集型サービス業へ配置すべきだと強調した。徐教授はこれに同調し、「当年、韓国、台湾、香港、シンガポールの発展において、農民の教育水準からして、就職先は労働密集型にしか従事できないことはある種の規律となり、すでに証明されたものである。これは避けて通ることはできない道で、選択の余地はない」と強調した。

 しかし、徐教授は農民の収入を増加させる重要なポイントとは、農民たちの就業問題を解決することである反面、1億5千万人以上の農村余剰労働力の就業問題の解決は、長い道のりであると語った。

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