【瓦版「平成見聞記」】最年少女流棋士・里見香奈(14才)

2007年03月08日 23時12分
 【大紀元日本3月8日】出雲の「イナズマ流」現れる!の表現がにわかに女流将棋界で躍り始めた。将棋界にニューウエーブをもたらす斬新な才能が、颯爽と登場してきた予感が伝わってきた。こんな虫の知らせは、そういつも吹いてくるものではない。あどけなさが残るが実力は本物だと、周りのプロ棋士を唸らせた。

 今回の将棋戦「レディスオープントーナメント」(1987年創設・毎年11月から12月にかけてトーナメントが組まれる)で話題の人となったのは、島根県出雲市出身のプロ1級女流棋士・里見香奈さんだ。プロ・アマ・育成会員を交えての戦いにおいて、並み居る強豪を退けて決勝戦へと駒を進めた。名実ともにナンバーワンの矢内理絵子・女流名人と、雌雄を決する願ってもない戦いに中学3年生が挑んだ。

 東京・将棋会館での決勝3番勝負の第1局(1月11日)は、先手番・里見さんが得意の中飛車戦法を駆使し、最後まで名人を圧倒して勝利をもぎ取った。第2局(2月5日)は矢内名人が冷静に指し、里見さんの勢いを殺(そ)いで戦いを制して五分に戻した。決戦は第3局(2月22日)までもつれ込んだ。勝敗の行くえに胸が高鳴った将棋ファンも多かっただろう。

 第3局は矢内名人のしたたかな作戦が功を奏して、将棋界を揺るがした話題の決戦にようやく決着がついた。タイトルを獲得できず準優勝に終わったが、当日付けで里見香奈・初段昇段が発表された。里見さんは初々しく最後まで名人を苦しめて、これほど手強い相手だとは思わなかったと言わしめた。

 里見香奈さんが将棋を始めたのは、お父さんとお兄さんの将棋の戦いを「何だか面白そうだ」と思ったことに始まる。アマチュア時代に強くなる秘訣をプロ棋士に尋ねて、「毎日詰め将棋を解くことを続けなさい」というアドバイスを聞き入れて欠かさず実行した。この持続する志が培った読みの速さと抜群の強固な意志が、イナズマ流といわれるに相応しい里見さんの才能を開花させた。やがて早晩、ビッグタイトルを手にすることを疑う人はもはやいない。才能全開の一歩手前に達している。

 今回の敗北から学んだことを活かす機会がすでに用意されている。3月19日に予定されている女流王将戦準決勝で、再び矢内・名人と火花を散らす。里見初段の雪辱なるか、女流将棋界の明日の扉を占う注目の一戦である。

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