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4月13日、尾身財務相(右)はG7終了後会見し、会議では円を取り上げて問題があるとの意見は出なかったことを明らかに(2007年 ロイター/Jim Young)

G7で円安を問題視する発言出ず、金融政策運営は声明と整合的

 尾身幸次財務相は13日、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の記者会見で、会議では円を取り上げて問題があるとの意見は出なかったことを明らかにした。2月のエッセンG7では円安を懸念する発言があったが、エッセン後の為替市場が円安ではなく、ユーロ高で推移していることを挙げ、環境の変化を強調した。

 会見には福井俊彦日銀総裁も同席。会議では2月利上げについて説明し、先行きの金融政策運営について「経済・物価情勢の変化に応じて徐々に金利水準を調整する」と説明したという。福井総裁はこうした金融政策運営の考え方は「コミュニケに盛り込まれた金融政策の考え方と平仄(ひょうそく)が合う」と語り、政策運営の方向の妥当性を強調した。

 <円を問題視する発言なく>

 ユーロ/円が史上最高値を更新するなかで行われた今回のG7では、「円」のみならず、ユーロについても尾身財務相は「アクセントのついた話はなかった」と述べ、エッセン会合との違いを強調した。

 最近のユーロ高・円安については、尾身財務相は具体的な水準についてコメントすることは控えるとしながらも、エッセン後の市場は「ドル、ユーロ、円ではユーロ高になっているのが正しい理解」と述べ、円安ではなくユーロ高であると強調した。

 <金融政策運営は、コミュニケと整合的>

 一方、福井日銀総裁はG7では「世界経済全体としてはバランスがとれた形で堅調な拡大を続けているとの認識が共有された」と指摘。堅調な成長を維持するために重要な認識が共有されたと語った。

 G7が共有した共通認識として、福井総裁は、金融資本市場の健全な機能維持と構造改革の促進とあわせて「物価安定を確保する適切な金融政策の運営が重要だということがコミュニケのなかにも明確に示された」と指摘。

2月の利上げ措置や今後の金融政策運営方針などは「コミュニケに盛られた金融政策運営の考え方と平仄(ひょうそく)が合うものだと考える」と述べた。

 <サブプライムローン問題や原油価格が残されたリスク>

 日本経済について尾身財務相は会議で「物価安定のもと、順調な回復過程にある」と説明。アジア全体についても好調な状況にあると説明し、日本・アジア経済情勢について「理解が得られた」と語った。

 ただ、G7声明では世界経済は「過去30年超で最も力強い持続的拡大を経験」としながらも、リスクが残存すると明記している。残存するリスクについて、会見に同席した渡辺博史財務官は「サブプライムローン(信用度の低い借り手に対する住宅融資)の影響は限定的ではあるがリスクはある。石油価格も昨年後半から上がっているので、その辺についてわれわれは目を離してはいけないとの認識だった」と説明した。

 <日米財務相会談では経済状況などで意見交換、人民元の言及なし>

 また、G7に先駆けて行われた尾身財務相とポールソン米財務長官会談でも、尾身財務相は日本経済情勢を説明。ポールソン米財務長官からは、焦点のサブプライムローン問題の米経済に与える影響は限定的で、米経済は健全な状況が続いているとの説明があったという。

 人民元改革に関しては、日米財務大臣会談では出なかったという。

[ワシントン 13日 ロイター]

 (07/04/14 22:09)  





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