自民党税制調査会の津島雄二会長は16日に都内で講演し、自民党の中川秀直幹事長などが掲げている上げ潮戦略と税制改正議論との関係で、高成長が達成できれば消費税増税は必要ないなどの議論が出ていることについて、4%の経済成長は実現したいとしながらも「4%成長で税収がどれだけ増えるのか。生やさしい話ではない」と述べた。また、税制改正には国民の合意が必要とした上で、現在は与野党ともに国民合意を目指す政治的環境にはなく、7月の参院選の争点にすべきではないと語った。
津島会長は、上げ潮戦略について「経済成長の要件を満たす税財政は、どの時代でも大事だ」と理解を示す一方、「上げ潮路線は一面は真理だが、マクロ経済的な議論だけでは結論が出ないくらい、物事は複雑になっている」とし、少子高齢化など避けて通れない重要な課題があると強調した。
少子高齢化の進展、社会保障費の増大が見込まれる中で、高成長の実現による自然増収などで4%成長を維持すれば、消費税増税は必要ないなどの指摘が出ていることに関し「4%成長は実現したい」としながらも、岩戸景気やいざなぎ景気など過去の長期景気回復局面と比較して、物価が上がりづらい状況の中で「4%成長で税収がどれだけ増えるのか。生やさしい問題ではない。成長率は高い方がいいが、気楽な議論をしてほしくない」と批判した。
政府・与党は、7月の参院選後にも税制改正に向けた本格的な議論をスタートする方向だが、これに関して津島会長は、税制改正は負担が変わることであり、賛否両論が出るとの認識を示し「それを乗り越えるためには、国民の大多数の合意が必要」と指摘。
その上で、参院選前の税制改正議論について「国民合意を与野党ともに目指す政治的な環境にない中での税制議論はマイナスになる。参院選の争点にすべきではない」と述べた。
消費税率の引き上げに関しては「やる、やらないではなく、国民に問うことが大事だ」とし、「国民の多くが、消費税を悪と思っており、このトラウマを早く抜け出すまでは、政治家が消費税をやれというのは、避けた方がいい」と語った。
また、日本経団連が、2011年度までに2%程度、その後もさらに3%程度の消費税引き上げが必要と提唱していることについて津島会長は「(消費税率を)少しずつ上げるやり方はいろいろ問題がある」と指摘。その理由として、税率変更に伴う流通への負担やシステム変更経費などを上げた。
さらに、証券税制の軽減税率の取り扱いなどを含めた金融資産課税について「世界全体との整合性を考えて決めていかなければならない」とし、法人税の実効税率の見直しについては「国と地方が法人からの負担をどのように分け合うかを議論することが必要だ」と述べた。
[東京 16日 ロイター]
(07/04/17 08:26)
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