中国の環境対策、全世界に影響―BBC記者

2007年05月11日 10時18分
 【大紀元日本5月11日】中国は世界で温暖化ガス排出量がトップの米国より小差の第二位で、しかもその勢いは米国を凌ぐすさまじさだ。BBC北京駐在のグリフィス記者はこのほど報道で、中国人は「世界で一番」が好きだが、中国の指導者らが遠慮する「世界で一番」は、この温暖化ガス排出量であるとしながら、中国政府が経済発展を優先して環境対策をおざなりにしている事実を指摘し、中国国内の温暖化による気候変動がもたらす代償は中国のみならず、国際社会が支払わなければならないと警鐘を鳴らした。

 グリフィス記者は、問題の主要な原因として石炭への依存をあげ、中国の推進する急速な経済発展に使われる電力エネルギー中、70%は石炭による火力発電からきている事実に言及し、地球規模での温暖化防止を国際社会が図るならば、中国を加える必要があると指摘した。

 温暖化による気候変動に対する中国政府の対応として、温家宝総理は今年初め、「中国は環境のためにさらに多くの働きかけをしなくてはならない」と発言し、汚染を生みだす工場を閉鎖し、さらに厳しい条例も実施することを承諾し、風力や太陽エネルギー発電などのなどのエコエネルギーへの移行も示唆した。しかしながら先月、中国は気候変動に対する全国行動網領についての実施を遅らせることを公表した。グリフィス記者は、このことを「国際社会にとってこれは重大な挫折である」とし、中国側のもともとの目論みが世界的な規制の緩和であるとした。

 中国当局は実施延期の理由の説明もなく、またこの網領を新たな実施時期も公表していないことや、今年3月に「このような政策は国家経済成長を妨げる」として、温暖化ガス廃棄排出量の抑制支援策として燃料税の徴収を開始したこと、「京都議定書」にサインしながら、温暖化ガス排出削減を拒んでいる事例などをあげ、「問題の所在は―中国の政治家が何十年も環境より経済発展を優先しているというところにあるようだ」とグリフィス記者は指摘し、「世界が温暖化に正しく対処することは、中国の経済成長を遅らせ、ひいては社会不安につながると(中国政府は)懸念している」と中国当局側の本音を明らかしている。

 専門家たちによると、気候変動は中国に重大な打撃を与えるという。チベットの氷河は絶えず溶けだし、黄河や長江などの有名な河川の水位は危険な水準にまで下降している。海面上昇は中国東部の沿岸地域に大きな影響を与えており、ここには最も発展力を備えた都市や省が所在している。現在すでに四億人が砂漠化問題に直面しており、農業と穀物生産にも影響している。

 専門家らの警告にもかかわらず、中国政府や人民は危機感を抱いていないようだ。グリフィス記者は「しかし現実をみれば相変わらず多くの人々は地球温暖化を大事な関心事とは思っていないようだ。彼らが関心を持っているのは仕事や金銭、家庭と生活の良し悪しである」とし、中国の環境保護団体の活動は当局から多くの規制をうけ、思うような活動ができないことから、成果は期待できないという。同記者は、中国の気候変動は全世界に影響を与えることから、中国政府や人民が行動に出なければ「世界は皆、中国と共に代償を払わなくてはならない」と危機感を示した。

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