フォーブス誌、中国富豪慈善ランキング中止

2007年05月14日 08時20分
 【大紀元日本5月14日】  世界有数の経済誌フォーブス(Forbes)誌の中国語版は今年から中国富豪慈善ランキングを中止すると発表した。専門家らは、「同ランキングの中止により、中国富豪の所得の不透明性と中国市場経済の倫理水準が低すぎるなどの問題が露呈した」などと分析している。米国VOAが報じた。

 フォーブス誌中国語版は2004年から中国富豪慈善ランキングを発表している。同誌は今月7日、今年は同ランキングを中止すると宣言した。中国語版の市場主任・張暁華氏は米国VOAの取材で、その理由について、以下のように説明した。

 張氏は、「中国の実業家の寄贈方式は比較的にどれも同じで、長期的かつ持続的な慈善行為が乏しいうえ、創意的で自主的な寄贈がほとんどない。突発的な状況で、非自主的に寄付するのが常。このような現状で、国内外の比較的に先進かつ計画的で、創意のある慈善寄贈方法を雑誌で紹介するのは、ランキングを公表するより現実的で、実業家にとって啓発的で参考になる」と説明した。

 上海の証券報は9日の報道で、ランキングが中止された背景を、「フォーブス誌の苦悩は中国富豪の財産の不透明性にある。財産を明かしたくないため、寄贈の不透明性をもたらした。そのほかでも、多くの慈善寄贈が慈善機構を通さないため、関連機関が正確なデータを把握できないでいる」という。

 北京大学経済学部の夏業良・教授は、「中国の富豪が財産を明かしたくない大きな理由は、金儲けのルートを公開できないから」と指摘し、「金もうけする過程で、様々な手段を使っている。違法な取引や政府関係者との裏取引、場合によっては、闇ルートで金を集めている。中国の多くの富豪が控え目でいるのは、そうしたいのではなく、そうせざるを得ないからだ。収入の出所を公開できないのだ」という。

 夏教授によると、最近、英国人が主宰した「中国の富豪(THE RICHEST PEOPLE IN CHINA)」という富豪ランキングに選ばれた人は、頻繁に中共当局の納税調査を受けたり、財産の出所の調査を受けたりしているという。中には不正が発覚し、投獄された人もいると指摘し、多くの富豪が自らの財産を明かすのを恐れるようになったという。

 夏業良・教授:中国の市場経済には倫理が欠けている

 フォーブス誌の張暁華・市場主任は、「中国の実業家は、慈善事業への共同認識が足りない上、中国での慈善事業は諸外国のように成熟していない」と見ている。

 それに対し、夏教授は異なる見解を示した。

 同教授は、「善意は心の問題であり、金額やタイミングの問題ではない。中国の実業家らは慈善事業を目標にしていない。これは中国の市場経済の倫理水準が非常に低いことに関連している。市場競争には内在的な倫理問題が存在している」とし、「中国の市場経済は倫理を欠いている。その根源は、中国には健全な司法と政治が確立されておらず、思想・信条が制限され、神仏に対する信仰もないため、人々は自律性が足りないことである」と指摘、「神仏への信仰がなくなっていることは、ここ20年間、市場経済の倫理が欠如している重要な原因である。生活が豊かになっても、人間としての最低限の神仏への信仰や、自らを律するガイドラインがなければ、非常に危険である。人々が利己主義に走り、日和見主義と個人的な価値ばかりを重要視するようになるからだ」と分析した。

 中国国内の新華ネットは先週、調査データを引用し、中国での金持ちの比率は人口の20%で、全国総財産の45%を有している。99%の企業はまったく慈善寄贈したことがないと報じた。

 この報道は、中国慈善総会の理事・章立凡氏の発言を引用し、「中国の民間慈善事業には、法律、道徳、文化という三つの土台がないため、金持ちは気前よく金を寄付したくない」と伝え、中国の金持ちには慈善意識が欠如していると分析した。

 香港紙「文匯報」の報道(9日付)では、中国の経済学者・梁小民氏の見解を引用し、「慈善ランキングを中止したのは良いことだ。外国人も中国の富豪慈善ランキングに理性を取り戻したことの現れだ」などと報じた。

 

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