長江沿岸土砂崩れの頻発、三峡ダムが原因

2007年05月25日 08時36分
 【大紀元日本5月25日】上海華東師範大学「地球物理研究通信」最新号の研究報告で、三峡ダムは2003年以降、毎年1億5千万トンの土砂が堆積し、長江下流の土砂流失および土砂崩れをもたらしたと発表した。ラジオ自由アジア(RFA)が伝えた。

 報告によると、三峡ダムは2003年に完成した以降、長江の上流に堆積した土砂は毎年1億5千万トンだが、入り江付近の土砂は毎年31%が減少しているという。四川省成都市に本部を持つ民間環境保護団体「緑色江河」の責任者・楊欣氏は、監視測定した現状から、6割の土砂がダム区域内に留まっており、4割は長江の下流へ流されていることを明らかにした。

 楊氏は、「長江は季節的な河川であり、洪水時期に大量の土砂を伴い、三峡地区の場合は約5億トンである。これらの土砂は一部は河川の底に沈み、一部は入り江付近へ流され堆積される。例えば、上海は、まさに長江上流から流されて来た土砂堆積でできた都市である。三峡ダムが完成してから、土砂はダム区域内に堆積されているため、きれいな水が排出されるが、排出されたきれいな水は堤防を浸食することになる」と指摘した。

 楊氏は「三峡ダムの水は長江下流の生態環境を変えた。何故なら、千万年以来、長江に存在していた豊富な栄養物質のおかげで、魚類と長江が完璧な生態環境を成していた。しかし、今では人為的に水をきれいにしたことによって、魚類の生態環境および栄養物質内容に変化をもたらしたと同時に、ダム区域内に堆積する大量の土砂も脅威である」と警告した。

 楊氏は、長江流域の中で、●江(ジンジャン)区域において近年、土砂崩れが頻発している。原因として、●江の土質が緩く、その上、上流からの水の浸食による河床の土壌流失が深刻化し、土砂崩れをもたらしたと指摘した。楊氏は、「ダム区域内で水を貯蔵することによって、一部の長江沿岸地区の堤防に対してもマイナス要素になる」と明らかにした。(●=草かんぶりに刑)

 米国ワシントン・DCを拠点とする「中国国際環境保護基金会」責任者・何平氏の分析によると、ここ数年、長江下流における深刻化した土砂崩れ現象をもたらした原因は、複数の要素が作用しており、三峡ダム建設により、下流へ流れる土砂量の減少のほか、長江の部分的な区域における河川幅の拡大で、波に対する河岸の抵抗力が弱まり、土砂崩れをもたらすという。

 何氏は「土砂の減少は、下流の洪水危機を低くするメリットもある。しかし、水がきれい過ぎると下流の堤防の浸食の新しい問題が生じる」と指摘したが、長江デルタが縮小している見方については、「事実上、三峡地区における堆積形成が遅くなっただけで、大きい生態問題にはならない」との見解を示した。

 何氏は長江上流の土砂堆積問題のほかに、「流速が緩慢になり、汚染をコントロールができなければ、水質は必ず変化する。そのために、政府は汚水処理、ゴミ処理を強化しているが、結果は思わしくない」と三峡ダムの水質が下がっていることも問題であると指摘した。

 報告によると、長江の土砂の流量は大幅に減少しているため、長江デルタの縮小をもたらしたとし、この状況が続けて、長江にさらなる多くのダム建設を加えれば、流域の住民たちの生活および長江デルタの生態システムにまで影響を与えてしまうと警告した。

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