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トムソンがロイター買収で合意、買収額は約2兆円

 カナダのトムソン・コープ は、英ロイターを約87億ポンド(172億3000万ドル、約2兆円)で買収し、世界最大の金融情報・データ会社を創設することで合意した。両社が15日発表した。

 共同声明によると、合意の実現には当局の認可が必要だが、ロイター・ファウンダーズ・シェア・カンパニー(ロイター発起人株会社)の支持は得ている。ロイター・ファウンダーズ・シェア・カンパニーは、両社の統合によって、ロイターの報道の独立性確保を目的としたロイター・トラスト・プリンシプルズ(信頼の原則)が脅かされると判断した場合、阻止する可能性があった。

 ロイターのトム・グローサー最高経営責任者(CEO)は声明で「優れた2社のビジネスが組み合わさることで、ロイター・トラスト・プリンシプルズに導かれた極めて優れたグローバルな情報サービス会社が誕生する」と表明した。

 持ち株会社ウッドブリッジを通じてトムソン株70%を保有するトムソンの創業者一族も統合に賛同。ロイターの株主の間からも、トムソンが提示した条件(ロイター株1株につき現金352.5ペンスとトムソン株0.16株)が妥当との意見が出ていた。

 14日の市場終値で換算すると、トムソンの提案はロイター株1株あたり692ペンス相当となる。

 統合新会社「トムソン・ロイター」は売上高が約120億ドル、約4万9000人の社員を抱える企業となる。

 インサイド・マーケット・データによると、新会社が金融情報サービスで持つ市場シェアは34%となり、現在33%を握るブルームバーグを追い抜く。

 法律、科学分野などの出版を手掛けていたトムソンは、国際金融市場の成長ぶりに着目し、金融情報事業に参入した。先週、教育関連部門を約77億5000万ドルで売却すると発表している。

 トムソン一族の持ち株会社ウッドブリッジは、新会社の株式を53%保有し、ロイター・トラスト・プリンシプルズを支持することになっている。

 英国、カナダ、米国のロイター社員が加入している従業員組合は14日、ロイター・ファウンダーズ・シェア・カンパニーに対し、単独筆頭株主が、ロイターのニュース価値に及ぼし得る影響に「深刻な懸念」を示す書簡を送った。

 ロイター・トラスト・プリンシプルズでは、1株主で15%以上のロイタ株を保有してはならないと規定している。共同声明によると、ウッドブリッジがトムソン一族の経営管理下にある限りは、この規定は適用されない。

 統合後「トムソン・ロイター」グループの下で両社のニュースおよび金融情報事業は「ロイター」に、その他のトムソンの既存事業は「トムソン・ロイター・プロフェッショナル」という名称になる。

 「トムソン・ロイター」のCEOには、ロイターのグローサーCEOが就く。「ロイター」のCEOには、ロイターのデビン・ウェニグ最高執行責任者(COO)が、「トムソン・ロイター・プロフェッショナル」のCEOは、トムソンのジム・スミスCOOがそれぞれ就任する。また、トムソンのボブ・ダレオ最高財務責任者(CFO)が、「トムソン・ロイター」のCFOに就く。

 今年ないし来年に統合完了を見込む。また、統合完了後3年以内に年5億ドルを超える統合シナジーを生むと予想している。

 *この記事の執筆、編集に関与した記者・編集者・翻訳者はロイターの有価証券を所有している可能性がありますが、記事の取材、執筆、編集、翻訳は、報道対象となる企業の有価証券の取引を禁じているロイター服務規程を順守して行われています。

[ロンドン 15日 ロイター]

 (07/05/15 21:01)