仏大統領選挙、社会主義派が国民基盤を失う=仏国際ラジオ局元主任

2007年05月10日 09時59分
 【大紀元日本5月10日】「ナポレオン二世」と称されたこともある、保守派の国民運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ候補(52)が新大統領に選出された。大紀元記者は今回の選挙について、フランス国際ラジオ局の元中国部主任・呉葆璋氏を取材、インタービューの概要を以下にまとめた。

  記者:今回のフランス大統領選挙について、保守派のニコラ・サルコジ候補が53%の支持票で当選した。この選挙結果は何を意味するのか。

  呉葆璋氏:フランス社会全体が右方向に傾き始めた。今回の選挙結果は、国際的な流れと関連している。国際社会の角度からみると、共産主義の陣営はベルリンの壁の消失とともに崩壊した。しかも、フランスにおいては、民衆が社会主義の思想にますます興味を感じなくなった。共産党と社会党が民衆という基盤を失っている。その一方、社会党内部も大きな意見の違いが生じている。

  共産党の選挙民はわずか2%しか残ってない

  過去の数十年を振り返ってみると、フランスの最大の変化は、共産党と社会主義の左派が当時、決別しようとした資本主義が消失していない。しかし、社会主義の思想はフランスで社会基盤を失った。社会党の選挙民、いわゆる「無産階級」「勤労大衆」の産業労働者の数が近年大幅に減少、社会の少数派グループと化した。共産党の選挙民はわずか2%しか残されていない。社会党は共産党とは一定の違いがあるが。

  過去の数十年間において、人々は、フランス社会主義左派は共産党のテーマソングを歌いながら、古い世界を変えるとのスローガンを叫び続けたが、一旦、政権を握ったら、そのやり方は右派よりもさらに右寄りだった。ミッテラン大統領の時代になると、左派は執政早々国有化などの社会主義政策を推進し始め、資本の大量流失を招きました。結局、大統領は賃金を凍結し、公共支出を削減するなど緊縮財政に方向転換し、さらに首相もローラン・ファビウスに替え、自由主義的政策に転回することにし、その物価と金融政策は全部右派のスタイルとなった。

 記者:一部のメディアは、「社会党の今回の大統領選挙に失敗する一つの重要な理由は、社会党内部の意見の食い違いで、選挙の戦略目標が不明確となり、有権者に混乱をもたらした」とみているが、どう思いますか。

  呉葆璋氏:社会党の今回の選挙中に、最も目立ったのは、党内での意見の分岐。社会党の2代の高官は、「社会党は以前の方針を徹底的に変えなければならない、中間派と合流する道を歩むべき」と示したことがある。彼らは、社会党の執政綱領には、古くて、意識形態の色彩が非常に濃厚な内容が含まれているため、国民には受け入れがたいと認識している。このグループは決して少数ではない。ミシェル・ロカール(Michel Rocard)元首相や、クシュネル(Bernard Kouchner)元厚生大臣なども含まれています。このように執政経験あり、直接国家運営に参加した人たちは社会党との距離がますますかけ離れています。

  「選択性のある移民政策」が中産階級の心理要求に適合している

 記者:フランス大統領選挙の序幕が開かれてから、民間調査でのサルコジ候補の支持率はずっと優位に立ってる。どの社会層の支持票が集められているのか。

 呉葆璋氏:非常に突出しているのは、ここ数年、フランスでは中産階級が高い割合を占めている。彼らは空論を嫌い、比較的に経済力が強い、と同時に、非常に重い社会責任を背負っている。中産階級は国家税金収入の大黒柱、彼らは「国有化」「共有制」などの論点をあまり信用しなく、自分たちが掲げている現実問題の解決に期待をかけている。サルコジ候補の政策スローガン「もっと働き、もっと稼ごう」が、中産階級に歓迎されているのは明らかだ。

  と同様に、中産階級は社会の不安定をあまり望まない。彼らは、秩序ある、安定した社会生活を熱望しています。移民問題に関して、中産階級は終始心理的な矛盾に悩まされています。彼らは排外的な右翼と異なるが、移民問題がもたらす圧力も消化しきれていない。そのため、中産階級は折衷的な解決方法に好んでいます。サルコジ候補が提唱する「選択性のある移民政策」は彼らの心理的な要求と適合している。

 政局を左右する立法選挙の勝利

 記者:フランス大統領選挙の結果が、全国情勢に決定的な影響を与える割合はどのぐらいありますか。

 呉葆璋氏:今回の選挙結果は53%対46%、右派のサルコジ候補が左派のロワイヤル候補に優勝したが、フランスは依然二つの陣営が対立する社会。サルコジ候補が完全な勝利を得たとは断言できない、なぜならば、6月には立法選挙があるからです。

  フランス大統領選挙は中央政権の帰属問題を解決するだけで、選挙の結果がフランス全国の政局にどれだけの影響をもたらすのかは、次の国民議会選挙の状況で決められます。社会党は地方で強い勢力を保っています。

  例えば、パリを含める22の選挙区の多数を社会党が掌握しています。もし、右派政党が国民議会と地方議会の多数議席を獲得しなれば、サルコジ大統領は権力を存分に駆使できないはず。もし社会党が地方での執政権を引き続き握れば、フランスは左右が共同管理する局面になります。社会党が立法選挙にも負ければ、それこそ右派政党の真の大勝になるだろう。

 

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