五輪聖火、中共への非難を集中点火=米有力紙

2007年05月05日 09時08分
 【大紀元日本5月5日】米国の ウォール・ストリート・ジャーナル紙などのメディアは近日の報道で、北京オリンピックの聖火が中国当局への政治非難を集中点火した、しかもその熱が徐々に上がっていると報じた。

 2008年オリンピックの主催国として、中国当局が聖火のリレールートを公表したばかり。その直後、米国の人権活動家4人が、エベレストでチベット民族の自治権を訴える横断幕を広げて、聖火が世界最高峰を経由するのを抗議したため、中共公安に逮捕された。

 聖火のリレールートはベトナムのホーチミン市から台北に入り、その後香港、マカオを経由して中国に入るものである。それについて、台湾政府関係者が「発表されたルートは台湾の主権を矮小化しているのが明らかで、台湾、香港、マカオを中国の『国内ルート』に列する意図がきわめて明白であり、これは受け入れがたい」と説明、聖火リレーの台湾通過を拒否すると表明した。

 聖火のリレー問題は、中共当局がオリンピックを主催するに際し、直面する政治的難問の発端に過ぎない。多くの人権団体とその他の組織もオリンピックを介し、国際社会に各自の論点を強く訴え、中には北京オリンピックをボイコットすべきとの声も多数上がっている。いわゆる脱北者問題やチベット問題、法輪功への集団弾圧、人権活動家への迫害などをはじめとした中国における人権問題が実在するため、「中国はオリンピック開催国にふさわしくない」とボイコットを主張している市民団体や、「(チベット問題が2006年までに解消されなければ、)我々は国際社会に対して、北京オリンピックのボイコット呼びかけを行う」と宣言している国もある。

 最近では、国際人権活動家や、世界で名を知られている映画俳優とスポーツ選手らが、自国のダルフール地区でのジェノサイド犯罪を容認するスーダン政府を支援する中共当局を強く非難している。

 中共当局はスーダンの3分の2の石油を買い占めている。一方、スーダン政府は石油輸出の80%の所得利益をアラブ民兵組織「武装騎兵隊」の支援に充て、中共から多くの大型兵器を購入しているという。すなわち、中共当局はスーダン政府の最大の盟友だ。スーダン国内のダルフール地区でのジェノサイド犯罪を容認し続けているスーダン政府は、国際社会が強く非難している。米国のスピードスケート選手ジョーイ・チーク(Joey Cheek)氏は、スポーツ関係者に対し、2008年北京オリンピックの開催を前に、ダルフールでのジェノサイド犯罪を終結させるため、中共当局に対し、行動を取るよう迫るべきと呼びかけている。昨年末ごろ、一部のオリンピック金メダリストらは、米国俳優ジョージ・クルーニー(George Clooney)さんと北京を訪れ、ダルフールの虐殺問題を中共当局に訴えた。

 国境なき記者団(Reporters Without Borders、略称RWB)は、すでにインターネットサイトなどを通して、北京オリンピックのボイコットを提案している。

 西側先進国では、フランスの大統領候補者らがダルフール虐殺問題で中共当局に異を唱え始めており、選挙活動において、2008年の北京オリンピックをボイコットする可能性を排除できないとしている。

 国連児童基金会親善大使を務めている米ハリウッド大物女優ミア・ファロー(Mia Farrow)さんは、中共当局がダルフールの大量虐殺に無関心なことについて、公やけに非難し、北京オリンピックのスポンサー企業と芸術顧問であるスティーブン・スピルバーグ監督に対して、中共当局がダルフール問題解決に積極的協力させ、圧力をかけるよう呼びかけた。ファローさんは自分が書いた文章の中で、中共は「1つの世界、1つの夢」を2008年オリンピックの主題にしているが、「我々は中共が悪夢を隠蔽することを決して許してはならない。すなわち、40数万人がダルフールで虐殺され、250万人が難民化していることだ。これらは、中共が支援しているスーダン政権の悪行だ」と非難、北京オリンピックが讃えている「1つの世界、1つの夢」が、「虐殺オリンピック」になると強調した。

 また、スティーブン・スピルバーグ監督は4月2日、胡錦濤・総書記に書簡を進呈、ダルフル大虐殺を強く非難し、中共当局が盟友のスーダン政府に強い影響力を発揮、一刻も早く問題を解決するよう要求した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、政治問題にできるだけ介入しない姿勢を取っているが、チベット問題とダルフール大虐殺を聞かれる際に、ジャック・ロゲ会長は、「我々は知っている、これらの問題について、当然注意深く見守っていく」と話した。

 また、法輪功への集団弾圧や、チベット問題、キリスト教地下教会と人権活動家への打圧などが引き続き国際社会で明らかにされる中、中国国内での人権状況の悪化も関心の的となっている。専門家からは、「これらのすべての問題が、最終的に北京オリンピックのボイコット運動を拡大させる可能性は十分に考えられる」との声が聞かれている。

 このような政治上の問題が、北京オリンピックのスポンサーを困惑させている。彼らは数千万ドルを宣伝投資に費やしたため、北京オリンピックの開催に問題が生じる場合、彼らの損失は莫大だ。

 また、中共当局がイメージの更なる悪化を最も恐れている。国際社会からの反対声に直面する中共当局は、最近では、ダルフールでの虐殺問題の解決に、すこし前向きな姿勢をみせているが、一時的なパフォーマンスであるかどうか、各界が注目している。

 
(記者・曾去執)


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