宗教に関心高める米大学生

2007年05月21日 09時15分
 【大紀元日本5月21日】ハーバード大学は370年前にピューリタンの聖職者を養成するために創立されたが、近代に入り、学術キャンパスで宗教問題に触れるべきかどうかについてはこれまで疑問視されることが多かった。

 ハーバード大学で27年間教鞭を執っているピータ・ゴメス(Peter J. Gomes)教授は、少し前までに信仰者たちは宗教の話をすれば、キャンパスで包囲攻撃をされたり、「頭が悪い」とされたりした。しかし、今ではますます多くの学生は宗教の話に興味を持つようになったと指摘し、ハーバード大学の教授委員会でさえ、歴史および倫理授業と同様に宗教の授業も大学生の必須単位にすべきだと提案していることを明らかにした。

 教授たちの報告によると、大学側は学生に対して、宗教や人生のテーマに触れることのできる「理性および信仰(reason and faith)」の授業を履修させるべきだとし、現在の授業内容は狭い学術問題に重点をおいており、実際、学生たちはハーバード大学で人生における日常的な課題を学習すべきだと主張している。

 ハーバード大学はすでに聖職者を教育する学校ではなくなったが、宗教の授業内容は同大学卒業生が今後の人生で遭遇する様々なことに関わる。今回の提案は、新入生94%は宗教をテーマにすることについて話し合っているとし、また71%は何らかの宗教儀式に参与していると示している。

 大学牧師を兼職しているカンマス教授は、今のハーバード大学学生の宗教生活は百年前の学生に比べて、より活発であると指摘した。しかし、ハーバード大学で盛んになっている宗教に関する話題は「宗教ブーム現象」の一角に過ぎず、実際、すでに全米に及んでいると語った。カンマス教授は、一般的に宗教と関わりのないコルゲイト大学(Colgate University)、ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)およびカリフォルニア大学バークレイ校でも宗教に対する関心が高まっているという。大学の教師たちは、学生の宗教およびスピリチュアル的なものの追求は以前より増していると指摘した。また、宗教関連の授業を選択する学生も日増しになり、ひいては宗教学を専攻する学生も現れているという。さらに、一部の学生は宗教に関するテーマを多く討論する学生寮を選び、宗教に関連する研究討論チームも多いという。多くの学生は研究討論で生と死の問題に興味を示しているという。

 カリフォルニア州大学ロサンゼルス校の高等教育研究機構は、2004年に11万2000人の大学生を対象にした研究調査で、3分の2以上の学生はお祈りをし、80%の学生は神を信じるとの結果が出ていることを明らかにした。また、約半数の学生はスピリチュアル的なものを追求したいとの意向を示したという。学校側関係者は、宗教がブームになったことの原因として、政治における宗教の位置づけがますます重視されたからだという。また、9・11同時多発テロ事件から、宗教が世界的事件発生に対する影響を重視され始めたという。その他、福音を伝える学生や異なる宗教背景の国際学生がキャンパスに入ったことも、今回のブームに対して影響をもたらしていると分析した。カンマス教授は、ハーバード大学キャンパスが多元化すればするほど、ますます米主流社会を代表することができると強調した。

 一方、別の見方もある。リハイ大学(Lehigh University)のリブ・ロイ・ステファン(Rev. Lloyd Steffen)牧師は、米国のイラク戦争の参戦が今回の宗教ブームの主な原因であると主張し、戦争への不安感から宗教に拠り所を求めていることを理由にあげている。また、戦後に生まれた人々は親と同様に自分の子供たちに対して、宗教的な教育を避けて、子供たちは自ら心のよりどころを探すべきだと考えているが、大学に入学するころに、生や死など人生についての疑問や困惑が生じるに連れ、宗教信仰を自然と追い求めると主張している。

 今回の宗教ブームは、学生らにさまざまな思索をもたらしている。「必ず神を信じてから、祈ることができるのか」と質問する学生もいれば「ありがとう」もお祈りの内になると主張するものもいる。さらに、自ら作り出したものでないことを信じていれば、それが信仰であると考える学生もいる。

(記者・廖佩●)(●=女+尼)

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