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解放された奴隷工たち(ネット写真)

特報:中国「奴隷工」事情

 【大紀元日本6月19日】

 炭鉱やレンガ工場に売り飛ばされた「奴隷工」

 「毎日早朝5時から出勤、翌日の午前1時に寝床に就く。休憩したことがない。24時間中5人の用心棒と6匹のシェパードに監視されている。作業の手が少しでも緩めば、暴力を受ける。毎日の三食は、饅頭と水だけ。野菜すらない。食事の制限時間は15分。寝場所は地面に筵(むしろ)敷いただけ、30数人が背中合わせでやっと収容できる狭い空間。一年中、歯を磨かない、風呂に入れない、それに、すべての労働は一銭の報酬もない」。このように証言するのは、山西省臨汾市洪洞県広勝寺鎮の曹生村にあるレンガ工場で奴隷のように働かせられる労働者「奴隷工」たち。

 ここで働く31人の人が現地の警察に発見された。情報提供者によると、発見当時、彼らは髭ぼうぼうで、体中に強い異臭を発していた。「体に染み付いているフケと泥は、ナイフで削れるほどだ」。ほとんどの人は体中傷だらけで、用心棒に殴られたり、シェパードに噛まれたり、釜で熱く焼いたレンガによるやけどがあったという。31人中8人は、働くこと以外に、自分の名前や、両親の名前、出身地がどこであるかとすら思い出せいという。甘粛省出身の劉宝さんは、仕事が遅いため、用心棒の衛庭漢にシャベルで頭を殴られ、その場で意識を失い、その翌日に亡くなった。数人の用心棒が彼の遺体をビニールで包み、近くの山に埋め捨てたという。

 レンガ工場の主は、村の共産党書記・王東己氏の長男・王斌斌氏である。レンガ工場は村の南東部に位置し、約1万3千平方メートルの敷地面積。囲む塀がないため、付近の坂道からはレンガ工場の全容がはっきりと見える。レンガ工場の真向かいには王東己・書記の自宅。現地政府の幹部や派出所の警察が頻繁にその自宅を訪れているという。この事件がネットサイトで明るみに公開された後、ネット利用者からは、「村の幹部・警察は長い間、工場で奴隷のように働かされている人々の存在を本当に知らなかったのか」と疑問視する声が多く出ている。

 現時点において、この人たちはどのように工場に集められたのかはまだ明らかにされていない。

 
暴力を受ける体験を語る労働者は思わず涙を流した(信息時報)

6月5日、中国の「大河論壇」というサイトで、河南省の父親約400人が連名で救援状を出した。それによると、行方不明になった子供を捜すために、彼らは全国各地を転々とし、様々な苦難を乗り越え、紆余曲折を経て、中には全財産をつぎ込んだ人もいるという。そして、最近になって、ようやく子供らが山西省の炭鉱工場で奴隷のように働かされているのを突き止めた。父親たちは出稼ぎ労働者を装い、工場内部に入り込み、2ヶ月あまりの時間をかけて、40人あまりの子供を救出した。この子供たちは誘拐された後、1人500元(約8千円)の価格で山西省の炭鉱工場に売り飛ばされたという。また、40人しか救出できなかったことについて、「現地政府が、河南省の子供の連れ出ししか許可しなかった。湖北省や、四川省などの子供もいたが、我々は彼らを救えなかった。ほんとうに申し訳ない」と明かした。

 子供たちの境遇について、以下のように記録している。「7年間ここで働いてきた人もいる。脱走に失敗した者は凄まじい暴力を受け、体に重い障害を残す人もいる。また、用心棒から背中に真っ赤に熱くしたレンガを押し付けられた少年もいる。この子がその後救出され、病院で数ヶ月の治療を受けたが、火傷は治せなかった。彼らは、毎日14時間以上働くが、ご飯すら満腹に食べさせてもらえない。疲れ果てた人が、少しでも手を抜けば、用心棒から暴力を受ける。殴る蹴るの暴力は日常茶飯事。重傷を負った人には、治療を受けさせることもなく、炭鉱主が危篤になった人を生き埋めにして死なせる。長い間風呂に入っていないため、皆体中に乾癬のようなフケがある。一番幼い子供はわずか8歳。8歳の子供は、一食を得るために、毎日大人すら耐え難い重労働に従事している。人身の自由が完全に剥奪され、24時間用心棒に見張られている」。

 6月12日、中国国内紙「新快報」もこれらの父親の救出劇を報道した。

 一方、河南テレビ都市チャンネルの記者・付振中氏は、5月9日から一ヶ月の間に3度にわたり、山西省の炭鉱工場を極秘調査、親たちの救出活動に同行した。同記者は、「これらの工場は皆現地政府の庇護を受けている。救出する過程において、最大の妨げは、現地の司法機構が協力してくれないことで、彼ら自身がこの違法事件に関与している可能性がある」と指摘し、「私は心がえぐられるような苦痛を感じている。私が得た情報では、現地で奴隷のように働かされている子供は1000人以上になる。自分がこのようなかわいそうな子供たちを救い出せないことに無念さを感じている」と心中を語り、朱広輝さんの実例を挙げた。

 それによると、朱さんはあるレンガ工場から救出された後、現地の労働監察機構に、別の工場に転売された。さらに、馮という名前の労働監察隊員は、朱さんが救出された際に支払われた300元(約5千円)を自分のポケットに入れたという。

 強制労働収容所の奴隷工

 スイス紙「トリビューン・ド・ジュネーブ」は2003年4月11日、スイス人権団体の調査結果を報じた。それによると、中国での千箇所以上の強制労働収容所で、囚人は各種の商品を製造している。これらの商品は格安の値段で全世界の市場で流通していると報じた。

 台湾メディアの中央社は2003年11月8日、「法輪功学習者が商品の製造を強いられる」と題する報道の中、57歳の法輪功学習者・萬貴福さんの実例を報じた。それによると、中国北西部の甘粛省蘭州市第一収容所で、食品会社の蘭州正林・農墾食品有限公司は、囚人に歯でスイカの種の実を割らせ、中の実を取り出す作業を強いた。命じられた生産量を完成できなかった萬さんに対し、4隊の呂軍・隊長はその他の囚人を使って、殴る蹴るの暴行をさせ、萬さんを死なせた。囚人らは毎日十時間以上、このような労働をし、いかなる報酬もない。多くの囚人はこの作業のため、歯がぼろぼろになり、指が破けた。爪が丸ごと抜けてしまった人もいる。一方、蘭州正林・農墾食品有限公司のブランド商品「手選瓜子(クアズ)」は、米国や、カナダ、豪州、東南アジア、台湾などに輸出され、1999年の売上は1・4億元(約20億円)に達したという。

 駐仏中国大使館外交官の妻だった陳頴さんは、自らの体験を明かした。彼女は1999年にフランスから北京に帰省する際に、法輪功学習者であるとの理由で逮捕された。強制労働収容所で、毎日16時間以上働かされ、ネスレ(Nestie)社の下請け会社の北京米奇・玩具公司の製品のウサギの玩具や、手作りの湯飲みの下敷き、手作りクッション、手編みのセーター・手袋、使い捨てお箸などの製造を強いられた。

 陳さんは強制労働収容所での境遇を以下のように語った。

 「食、住、トイレ、作業場は全部同じ部屋。ご飯食べる前に叫ぶような大声で共産党の歌を歌うのを強制される。ご飯をもらうときは、片足を跪くよう命じられ、ご飯茶碗を両手でいっぱいに高く挙げ、「私は囚人の誰々です、ご飯をいただけませんか」と大声で話す。そうしないとご飯をくれない。食事や、給水、トイレなどの時間は全部制限されている。朝は20数人に3つの蛇口しかない。5分以内に歯磨き、顔洗い、トイレを全部済ませなくてはならない。普段は頭を下げ、周りを見渡したり、会話したりすることが禁じられている。私は、睡眠の剥奪や、強制洗脳などをも受けた。警察から正体不明の薬物の強制注射を受けたため、記憶喪失や左半身の痙攣などの症状が現れ、数年が経った今も体が麻痺している」

 釈放された後、陳さんはフランスに出国、国際社会に対し、強制労働収容所での虐待や、強制労働などの実態を暴露し続けている。

 フランス在住の中国人労働組合の責任者・蔡崇国氏は大紀元の取材で、以下のように語った。

 「最近中国官製メディアも報道している奴隷工や児童工(児童労働者)の問題は、中国社会の貧富格差や、弱者を人間扱いしないなどの現状を露呈した。私が知る限り、奴隷工の現象は、山西省や、河南省だけではなく、雲南省の昆明市や、広東省の東莞市などの各地でも、普遍的に存在している。数年前に、中国メディアは河北省の定県の工場での奴隷工実態を暴露していた。この問題はほぼ毎年報道されているけど、依然存在している。問題の工場主が逮捕されても、数ヶ月もすれば、釈放される。背後に地方政府との癒着関係があり、庇護を受けているため、恐れることがない。それに加え、極貧の農民たちは、別の生きる道がないため、どんなに危険で、どんなに苦しい重労働も受け入れてしまう人がいる。中国社会のこのような現状が奴隷工を生み出してしまった」。

 取材の最後に、蔡崇国氏は、「中国の奴隷工問題は、人間の心が極度に険悪に陥り、社会全体の道徳倫理感が喪失されている一面を反映した。また、この問題は共産党体制の弊害がもたらした結果とも言える。この政治体制を変えない限り、奴隷工の現象が根絶できない」と述べた。

 (07/06/19 13:16)  





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