中国当局、衛星放送アンテナの設置を厳しく取り締まる

2007年06月12日 08時43分
 【大紀元日本6月12日】中国国内の多くの省・市などで、地方政府や公安警察などの政府機構が連携して専門の「取り締まりチーム」を結成し、「わいせつな放送を取締る」「社会の不安定要因を駆除する」などの名目で、住民が自宅に設置した衛星放送の受信アンテナを強制撤回・破壊している。

 本紙記者が北京市広播電視局(北京市の放送を主導・管轄する政府機構)を電話取材した。対応に出た関係者は、国内の衛星放送アンテナの販売・設置が増えているため、当局が取り締まりを一層強化しているのを認め、「個人が衛星放送を受信できる設備を設置・使用してはならない。違反者には、5000元(約8万円)以下の罰金に処する。企業の場合では、5万元(約80万円)以下の罰金を徴収する」と話した。

 
ネットに掲載された当局の取り締まり公告(ネット写真)

一方、当局が厳しく取り締まると同時に、衛星アンテナの販売業者は、携帯電話のメール広告配信や、ネット販売、チラシ配り、訪問販売、闇市場での裏取引などの様々な宣伝攻勢で、販売を促進している。アンテナの取り付け場所も、これまでのベランダなどの見えやすい場所から、屋内に移っている。

 本紙記者が江西省上饒市広豊県湖豊鎮橋頭村や、南京市、湖北省、河北省、広西自治区、広州市などの各地の住民に無差別調査を行った結果、地方政府による取り締まりが最近盛んに行われ、発見されたアンテナが壊されるとの情報を再確認するとともに、調査を受けた市民からは、「政府の厳しい取り締まりと裏腹に、都市部では個人による衛星アンテナの設置が益々人気となり、辺鄙の農村部でも、現れている」などの証言を得ている。江西省上饒市広豊県湖豊鎮橋頭村の農民・鄭さんは、「現地の多くの村で衛星アンテナが取り付けられている。政府は最近、頻繁に取り締まりに来ている」と明かした。

 湖北省広水市のメディアの報道によると、4月19日、現地政府が衛星アンテナを取り締まる専門会議を招集し、黄秋菊・副市長は、「国外の敵対勢力による浸透・分裂活動に対抗するため」「法律に沿って行政執行を強化、意識形態への管理を促進するため」、取り締まりは必要不可欠な措置であると力説した。

 広州市の市民が提供した情報によると、広州市新聞出版・広播電視局の責任者は現地のメディア放送を通して、「個人による衛星アンテナの設置を完全に防ぐために、政府が先鋭な監視設備を導入、市内での衛星信号の発信・受信を有効に監視できる」と通達した。

 電話調査を受けた瀋陽市の住民・金さんは、「政府が国民に衛星放送の受信を禁止するのは、中国人が外国の民主制度に惹かれていくのを恐れているためだ。だから、彼らは一生懸命情報を封鎖しようとしている。でも、このような発言をする幹部たち、もしかして、自宅に衛星アンテナをすでにつけているかもしれない。これはただの愚民政策に過ぎない」と話した。

 河北省薊県在住の王さんは、「いま、国内のテレビ番組は本当に面白くない。共産党の洗脳教育も非常に濃厚。私は前から、国外のテレビ番組はどんなものなのかと強い興味を持っている。今時、行政手段で市場を抑圧しようとする政府の行為は、誠に滑稽だ」と話した。

 河北省国安市在住の瀋さんは、「私は昔からCCTVをみない。衛星アンテナを付ければ、見たい番組を思う存分に見られる。政府は『わいせつな放送を取締るため』と言い訳しているが、CNNなどの放送もわいせつな番組に属するのか』と語った。

 河南省鄭州市の生活家電市場で衛星アンテナを販売している業者によると、最も安い価格は300元(約5000円)、100以上のチャンネルを受信できる、しかもすべては無料だという。

 また、業者によると、政府の取り締まりから逃れるために、販売方法が巧妙になり、アンテナの小型化も進み、屋内にも設置・受信できるようになったという。

 大紀元の電話調査を受けた人からは、「政府が政策を講じれば、我々も対策を考え出す」と、当局の取り締まりなどに挑戦的な発言もあった。

 評論家は、「衛星放送の受信を試みる中国人が増えることは、彼らが外部の情報を強く求めている証。科学技術が発達し、世界がグローバル化する時代に、国民に外国の情報を封鎖するのは不可能」と分析した。
屋内でも設置できる衛星アンテナ(ネット写真) 







(記者・辛霏)
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