印刷版   

今週の焦点:米金利落ち着けば株高・円安地合い継続か

 今週は、米国市場の動きに引き続き振らされる展開が予想されている。今回の金融市場の動揺の発火点になった米国の長期金利がこのまま落ち着くようなら、株高、円安地合いが継続しそうだ、との見方が多い。

 ただ、国内の株価に関しては、7月の参議院選挙を前にして与党の予想外の苦戦が伝えられるようだと、政局の不透明感を嫌って海外勢が買いを手控える可能性もある。

 <マクロ関係>

 ●20日に武藤日銀副総裁が講演・記者会見、追加利上げのタイミング探る

 武藤敏郎日銀副総裁が20日に松江市で開催される金融経済懇談会に出席、講演の後に記者会見を行う。金融市場が日銀による8─9月の追加利上げを織り込むなか、注目度の高い武藤副総裁の発言から市場は具体的な利上げタイミングを探ることになる。21日には、全国信用金庫大会での福井俊彦日銀総裁のあいさつも予定されている。

 ●23日に通常国会会期末、延長の方向

 通常国会が23日に会期末を迎える。7月の参院選を控えて政府・与党は公務員制度改革法案など重要法案の会期内成立をめざすが、消えた年金問題などで野党が攻勢を強める中で、与党内では延長やむなしの空気が広がりつつある。延長幅については参院選日程(7月5日公示・22日投開票)を変更せずに済む5日間と参院選日程が1週間ずれ込む12日間の案が浮上している。

 ●19日に経済財政諮問会議が骨太方針2007を決定

 政府は19日に経済財政諮問会議を開催し、「骨太方針2007」を諮問・答申する。安倍晋三政権で初の骨太方針となるが、7月の参院選への配慮から、消費税を含めた歳入改革や公共事業など歳出削減に対する踏み込みんだ記述は見送りとなる可能性が大きい。

 <マーケット関係>

 ●株式市場は下値切り上げ、リスクは円高と与党敗北観測

 東京株式市場は、下値切り上げの底堅い展開になる見通しだ。市場のセンチメントがやや強気に傾いており、日本企業の増益基調を徐々に織り込む動きになると予想されている。リスクは円高と参議院選挙での与党敗北観測の高まり。特に与党敗北シナリオは海外勢の嫌気売りを誘う可能性があり、相場を大きく崩しかねない。

 ●米指標でドル買い余地見極め、円は弱含み続く

 外為市場では、米国の経済指標や要人発言を通じて、買い戻しが強まり始めたドルの上昇余地を見極める展開となりそうだ。一時は利下げ観測も台頭した米景気見通しが好転しており、市場ではドル買いに前向きな姿勢を示す参加者が増えている。翌週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて思惑も高まりやすく、6月末をにらんだ需給動向や、19日の5月米住宅着工件数などが関心を集めそうだ。日本から資金流出が続く状況は変わらず、円は弱含みが続きそうだという。

 ●円債市場は底固め、米債落ち着けば戻りを試す展開か

 円債市場は、底固めが予想されている。引き続き米債をはじめとする海外債券市場の動向に振れる展開になりそうだが、安値圏では投資家の買い期待は根強い。相場急落の要因となった米金利の上昇に歯止めがかかれば、戻りを試すとの見方が出ている。ただ、直近の相場下落で投資家のポジションが傷んでいるとの見方も多く、上値では戻り売りが出るとの指摘も出ている。

 <企業ニュース関係>

 ●株主総会のシーズン始まる、スティールが増配要求のブラザー工業と因幡電機産業も

 株主総会のシーズンが始まる。スティール・パートナーズが大幅増配を要求しているブラザー工業<6448>と因幡電機産業<9934>の株主総会が22日に開催され、スティールが出した大幅増配の株主提案が決議される。関係筋によると、両社とも会社が提案が承認されそうだという。

 そのほか、米国上場問題を抱えるNEC<6701>や、ゲーム事業の再建の道筋が注目されるソニー<6758>が21日、米シティとの経営統合を控える日興コーディアルグループ<8603>が22日にそれぞれ総会を開く。

 ●新規上場はサイバーコムなど5社

 19日にサイバーコム<3852>、21日にマネーパートナーズ<8732>とセーラー広告<2156>、22日にネットインデックス<6634>とインフォテリア<3853>が上場する。地方を地盤にした広告代理店や、専門性の高いシステム会社など中小型株がそろった。前週のIPOした3社の初値はすべて公開価格を上回った。しかし、その後の展開は二極化し、12日に新規上場したカービュー<2155>はストップ安になるなど、市場では「新興市場は立ち直りの兆しをみせたかと思ったら再び崩れ始めている」などの声が出ている。

[東京 18日 ロイター]


 (07/06/18 09:07)  





■関連文章
  • 外国為替市場で個人の外為証拠金取引が一大勢力に(07/06/16)
  • 米財務省為替報告、中国を為替操作国と認定せず(07/06/14)
  • 景気過熱抑制に向け措置講じる=温家宝中国首相(07/06/14)
  • 米上院銀行委の議員ら、人民元で中国に圧力かける法案発表(07/06/13)
  • 中国、外国からの不動産投資規制を地方政府に要請(07/06/11)
  • 日銀は金利を段階的に引き上げていく=福井総裁(07/06/06)
  • 中国株市場過熱、全国民熱狂…個人投資家百様(07/06/04)
  • 中国に為替改革迫る法案、6月中にも準備=米議員側近(07/06/01)
  • 不安定な中国株式市場、アジア経済に影響及ぼす可能性=渡辺財務官(07/06/01)
  • 不安定な中国株式市場、アジア経済に影響及ぼす可能性=渡辺財務官(07/06/01)
  • 日本株式市場、中国の株価抑制策には比較的冷静(07/05/31)
  • 中国財政省、株式取引の印紙税率を0.3%に引き上げ(07/05/30)
  • くすぶる参院選前の利上げ説、与党からは警戒の声(07/05/29)
  • 香港長江グループ会長、中国株式市場バブルを懸念(07/05/20)
  • 上海・深セン株式市場=上伸、バブルへの懸念高まる(07/05/10)