中国広東省広州市=数百人の退役軍人が集団陳情、警察の取り締まりで元少佐重傷

2007年06月23日 08時08分
 【大紀元日本6月23日】中国広東省広州市で6月20日、数百人の退役軍人が広東省政府ビルの前で集団陳情しようとしたが、現地警察の取り締まりを受け、一部の人が殴打され、元少佐の53歳の女性・謝樹清さんが重傷を負い、病院で治療を受けている。

 今回の陳情活動に参加した複数の退役軍人や、謝さんなどを電話取材した。

 陳情理由として、軍人らが退役した後、地方政府は中央が制定した関連政策通りに、給料や仕事などを与えなかったという。そのため、多くの退役軍人の収入が低く、生活が苦しいため、今回の陳情活動を計画したという。

 陳情参加者の証言によると、当日、退役軍人約400人が広東省政府の前で集結した。中には、女性や70代の老人で、朝鮮戦争に参加した人、身体障害者なども含まれている。結局5人しか陳情室に入れなかったが、その直後に、百人以上の警察と5、6台の大型バスが現場に配置され、「陳情は違法だ、早く撤退せよ」と命じられた。

 その後、陳情者らを退散させるために、警察らは暴力を振るった。取材を受けた陳情者からは、以下の証言が得られた。

 「ある女性は4、5人の警察に押さえられ、車に入れられた。その間、抵抗したため負傷し、手足から出血した。皆がある体育館に強制移動され、電話や住所を調べられた後、現地政府の関係者に連れ戻れされた」「陳情室の職員・張恵芬氏に、『お前らのような退役軍人は、人間のクズだ』と罵倒された」。

 数年も失業してきた李漢軍さんは、「これまでに、頻繁に集団陳情を繰り返してきたが、現実の問題がまったく解決されなかったため、今回の陳情を計画した。前日の19日午後から、地元政府部門は車両2台を出動、8人が自宅周りで張り込み、私は身動きが取れない状況に陥った」と話した。

 女性退役軍人の謝小麗さんは、「私は陳情にはいけなかった。16日から19日までに、自宅で毎日3台のパトカー、8人の監視役が交替で張り込みしている。20日午前5時、パトカー3台と、約40人の警察、現地政府の関係者などが、自宅を包囲し、外出を禁じられた。家の電話や携帯なども盗聴されている。家族らも同じ目に遭った」と証言した。

 退役軍人代表・候迎中さんは、政府ビル前で強制連行され、8時間の取調べを受けた。

 20日午前、陳情者を封じるために、政府ビルに通じる東風路は1時間以上交通規制が敷かれたという。

 53歳の女性退役軍人で元少佐の謝樹清さんは、警察から暴力を受け、重傷を負い、病院で治療を受けている。謝さんの証言によると、20日朝、陳情のため自宅を出たところ、自宅周辺で張り込みしていた30人あまりの警官・私服警官に阻止され、逮捕された。「10数人が警察の制服を着ていた。警察証は見せてくれなかった」という。その後、謝さんが広州市珠海市赤崗街派出所に連行され、「私服警官がいきなり私に襲い掛かった。頭が真っ白になり、気がついた時に、約4メートル先の部屋の入口に飛ばされた。どこがおかしいのかわからないが、とにかく、体を動かすことができなくなった。しばらくそのまま地面に座り、その後、2人が私を支えて起こしてくれた。その間、私はずっと殴った人の名前や、警察番号、どうして私を殴るのかと問い続けたが、だれも答えてくれなかった」という。

 謝さんは、広州市赤崗177病院で治療を受けている。「背中が痛い、座ることができない。医者からは、1ヶ月間の静養が必要。胸骨圧縮性骨折と初歩診断されたが、再検査が必要。仰向けに寝られない。めまいや、耳鳴り、息苦しい、咳がひどく、腰椎も負傷し、肩が痛い。中国警察の『凄腕』を初めて身を持って実感できた」という。

 最近、中国各地では、退役軍人が処遇問題を訴えるために、頻繁に北京を訪れ、中央政府に陳情を試みているが、現地政府に懸命に阻止されている。湖南省や広西省などの各地の企業に配属された退役軍人が連合し、集団で国務院人事部を提訴し、陳情する代表を勾留し、取調べや監視するのは違法だと訴えている。退役軍人の集団陳情は中国当局を悩ませているようで、各地では監視・取り締まりが強化されている。

 中国軍部は最新の条令を公布し、「軍人が抗議デモや、集団陳情するのを禁止、違反者には厳罰を処す」と通達した。退役軍人からは、「たとえこの条例があっても、我々の基本的な生存権を主張し陳情することを阻むことはできないはずだ」との声が聞かれている。

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