野良猫のために献身的に尽くす女性

1973年、リニア・ラッタンジオさんは、自分のベンツと2カラットの結婚指輪を売りました。カルフォルニアの自宅に保護施設を作るためです。現在リニアさんは1100匹以上の猫と生活しています。そして45人のボランティアさんにも来てもらい、年間維持費が数百万もかかる猫の保護施設を運営しています。

「私ほど猫好きは世界中探してもいないと思うわ」とリニアさん。彼女は2016年にテレビ局が取材に訪れた時は67歳でとてもお元気そうでした。

Photo courtesy of The Cat House On The Kings.com

では、このどうやってリニアさんはこの広大な猫の保護施設をはじめることになったのでしょうか。

1992年、リニアさんの父親の2匹の猫が老齢でなくなってしまいました。そこで、リニアさんは、猫のシェルターに行き、シェルターに保護されていた身寄りのない猫15匹を連れて帰ってきたのです。

Photo courtesy of The Cat House On The Kings.com

その後、保護シェルターにいる猫たちが元気がなく、自由に歩き回れない生活を送っていることがどうしても受け入れることができませんでした。リニアさんはどんどん猫を保護し、その同じ年に96匹の猫を引き取りました。このように「猫の楽園」が出来上がっていったのです。

「当初は、7年間も自腹をきってやりくりしていました。しかし2004年に理解のある人が現れ、家を寄付してくれました。その家を売ったお金で、隣の土地を買い、土地を広げていき、最終的には12エーカーの広さにまでなりました」とリニアさんは話してくれました。
 

Photo courtesy of The Cat House On The Kings.com

土地から猫が出ないように柵で囲い、敷地内を猫が自由に歩き回れるようにしました。しかし猫の数が増えてくるにつれ、住む場所がなくなってきたリニアさんは自分の家を出て、トレーラーに住むようになりました。

現在は1100匹の猫(そのうち300匹は子猫)と一緒に暮らしているリニアさん。そこにいる全ての猫が捨てられた野良猫たちです。今はこの楽園で楽しく暮らしています。

Lynea talks with volunteer Joseph Hyder as a resident dog is bathed next door on Aug. 25, 2017 (©Getty Images / Justin Sullivan)

その施設の維持費用は相当なもので、餌、糞などの処理、医療費など合わせて年間で160万ドルもかかるそうです。

病院での検査も必要で、獣医は週に一度行くようにしています。また彼女は、この地域の飼い猫に不妊手術をするための金銭的な補助もしています。

リニアさんは、医療費をできるだけ低く抑えるために、獣医の知識を身に付ける訓練も受けました。

Lynea checks on a kitten in a carry basket in the gardens of the property on Aug. 25, 2017. (©Getty Images / Justin Sullivan)

リニアさんの目標は、できるだけ多くの猫に飼い主を見つけてあげることです。この楽園に住む猫たちは、とてもフレンドリーですぐでも引き取ってもらえる猫ばかりです。

Lynea hand feeds a young kitten at The Cat House on the Kings on Aug. 25, 2017. (©Getty Images / Justin Sullivan)

リニアさんは、今までのべ28,000匹の猫を受け入れ、一緒に生活しています。

「これは世界記録に間違いないでしょう」と嬉しそうにリニアさんは話してくれました。

(大紀元日本ウェブ編集部)