中国、北京五輪期間中食品安全を保証、国際社会の圧力か

2007年07月13日 11時11分
 【大紀元日本7月13日】食品安全問題で悩まされている中国政府当局は、2008年開催される北京五輪期間中に食品の安全性を確保するため、より厳密な食品品質監督体制を設けたという。中国政府が公の場で北京五輪期間中における食品の安全性を保証することから見れば、中国当局は国際社会から強い圧力を受けているに違いないと専門家が指摘した。米VOAが報じた。

 中国国家工商総局消費者保障局の孫文序・副局長は、7月10日に北京で開かれた記者会見において、2008年北京五輪期間中に食品の衛生性と安全性を確保するため、関連部門は十種類、約345品目食品に関して安全技術規定を制定し、食品安全管理監督システム及び遡って検索できるデータベースを作り、さらに食品の生産、加工、包装及び保存の各段階において全方面の管理監督を実施する、と示した。

 中国国内報道によると、2008年北京五輪期間中、各国の選手、政府関係者及び報道機関関係者に供給する果物と野菜が約330トンで、海鮮食品が82トン、各種肉類食品が131トン、チーズが21トン、牛乳が2万ガロン、各飲料品は300万ボルトが必要だ、と試算されているという。

 孫文序・副局長は、各行政管理部門はこれから食品の流通に関して、仕入れ、取引及び消費者に届くまですべてのプロセスにおいて全方面に安全性及び品質管理監督を実行するため、北京五輪期間中に食品の安全性が保証できる、と述べた。

 *専門家:消費者の不安を払拭できない

 中国経済問題専門家で米国カリフォルニア州のロース・キャピタル・パートナーズ社のドナルド・ストラスツァイム副社長は、中国政府官員が北京五輪期間中の食品の安全性についての発言は人々の不安を減らすことができるが、しかしこれはまだ人々の長期的中国食品安全性問題への懸念を完全に払拭することができないと指摘した。

 ストラスツァイム氏は「中国では、一般消費者に食品安全性の情報を伝える習慣がなく、食品衛生に関する真の検査、監督及び法の執行という管理監督体制もない。もし、中国の食品は国内だけで消費されているならば、各国として干渉する権利がないと思う。しかし、中国は今すでに食品生産及び輸出大国となっており、国際社会としては干渉しなければならない。私は、北京五輪期間中に食品衛生基準を高めるという中国政府の能力を疑わないが、しかし、食品安全性は長期的な問題なので、長期的な対策を制定する必要があると思う」、と話した。

 *報道機関: 中国政府官員の対応が一変した

 国際社会、特に米国がこのほど中国食品安全性問題に対する注目及び圧力の下で、中国当局の対応が大きく変化した。

 中国食品薬品監督管理局安全協調司の孫咸沢・司長は7月10日に北京で開かれた全国食品薬品監督管理研究セミナーにおいて、中国食品安全性事故あるいは事件の発生は食品産業の発展に影響を与えるだけではなく、地方経済及び社会の安定性にも影響を与える、と強調した。また、同氏は中国食品安全性及び品質問題が国際社会で頻繁に報道されていることは中国の国際的イメージを損なった、と指摘した。

 英国のファイナンシャル・タイムズ紙は、中国政府官員の現在の対応と、先週中国外交部のスポークスマンが国際社会に対して中国食品安全性問題を誇張しないと呼びかけたとのこれまでの対応とは全く異なっていると指摘する。

 *消費者権益団体:中国政府は国際社会からの圧力を受けている

 消費者権益民間団体で公民権益研究センターのカロリン・デワール主任は、中国政府官員が公の場で北京オリンピック大会期間中の食品安全性を保証したことから見れば、中国政府当局は国際社会、とりわけ米国からの圧力を受けていることがわかる、と言った。

 デワール氏は「自動車のタイヤから、おもちゃ、歯磨き粉、海鮮産物まで、ますます多くのアメリカ消費者は中国製産品に懐疑的になった。将来には中国製品がアメリカ市場から姿が消えてしまうということを避けるために、今、アメリカ政府と中国政府双方はまじめにこの問題の解決に取り込まなければならない」と述べた。

 *専門家:問題を直視しなければ、問題を解決できない。

 中国政府が北京五輪期間中に食品安全性を保証し、食品安全性問題を重視するようと呼びかけると同じ日に、中国国営報道機関は前国家食品薬品監督管理局長の鄭筱萸氏が処刑されたことを報じた。鄭筱萸氏は不正着服や収賄で今年5月に死刑判決を言い渡された。また、国営報道機関によると、鄭氏が国家食品薬品監督管理局長として務めた間に、偽薬品や品質に問題がある薬品を大量に市場に流通したという。

 中国経済問題専門家であるストラスツァイム氏は、7月10日に示された食品安全性問題に関する中国政府の新たな対応は一つ積極的な変化であると評価する。

 「これまで中国政府官員は国際世論に頻繁に報道される食品安全性問題を沈静化するために、各国の報道機関に報道しないよう求めた。このような態度では全く問題を解決するのに役に立たない。問題を直視しなければ、問題を解決できない。真実はいつか暴かれるものである。たとえば、2003年に発生したSARS(重症急性呼吸症候群)についても、人々が真相を知ったときに、政府として責任を持って対応しなければならなかった。これからも他の食品安全性問題が露呈されるにつれて、中国政府はより責任を持って対応していくと私は考える。このような変化は非常に良いと思う」とストラスツァイム氏が話した。

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