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 7月29日、年金記録問題や現職閣僚の不祥事などへの批判を背景に、民主党が躍進、与党は過半数を割り込む情勢に。写真は東京の民主党本部にて当選確実候補の名前に花を飾る同党鳩山幹事長(右)と菅代表代行(左)(2007年 ロイターToru Hanai)

参院選は民主躍進で与野党逆転、年金・閣僚不祥事に批判票

 29日投開票の参院選は、年金記録問題や現職閣僚の不祥事などへの批判を背景に、自民党・公明党が大きく議席を失い、与党の過半数獲得に必要な64議席を割り込む情勢だ。一方、民主党が1人区を含めて各地で大幅に躍進しており、与野党逆転が確実になった。

 民主党を中心に野党側が参院議長ポストを獲得、法案審議の主導権を握る見通し。安倍晋三首相は同日夜、続投の意向を示したが、今後の政権運営は一段と厳しい状況に追い込まれる可能性がある。

 NHKなどの開票速報によると、自民党は一人区の多くで前職候補が敗れ、獲得議席数は橋本龍太郎元首相の退陣につながった1998年の参院選の44議席を下回る見通し。公明党も目標の13議席に届かない。一方、民主党は同日午後10時20分現在、改選議席32に対し、すでに55議席を獲得、全国各地で大きく勢力を伸ばしている。

 安倍首相は同日夜、記者団に対し、参院選の結果にかかわらず、今後も政権を担っていくとして続投の意向を表明。一方、自民党の中川秀直幹事長は同日夜、選挙での大敗が伝えられていることについて「幹事長の責任であることは間違いない」と辞任を示唆した。民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日夜、参院選での大幅に議席が伸びた理由について「2大政党政治への期待感が高まっていることが示された」と述べた。

 参院選で与野党の勢力が逆転、民主党が第1党になれば、国会運営をめぐる安倍政権の主導権は大きな後退を余儀なくされる。大和証券SMBCの岩下真理シニアマーケットエコノミストは「与党の過半数割れは予想通り」としながらも、「日銀の利上げや次期総裁を含む日銀人事の承認に影響が出てくる可能性がある」と話す。

 今回の参院選では、年金記録問題の解決が争点の1つに浮上。さらに相次ぐ現職閣僚の失言により、安倍内閣の政権運営のあり方も選挙戦での大きなテーマとなったほか、地方の1人区を中心に格差問題をめぐる舌戦も続いた。NHKなどによると、これまでのところ、東北、四国、九州などの1人区で自民党の前職が民主党に敗れ、自民党の惨敗と民主党の躍進を浮き彫りにしている。

[東京 29日 ロイター]

 (07/07/30 06:29)  





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