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7月20日、中国人民銀行が行った利上げは小幅すぎであり、追加引き締めの観測は消えていないとの声が。写真は5月撮影の周小川総裁(2007年 ロイター/Nir Elias)(ロイター)

中国の利上げは小幅すぎとの声、追加引き締め観測消えず

 中国人民銀行(中央銀行)は20日に利上げを発表した。ただ、利上げ幅は小幅すぎて、一段の金融引き締めがあるとの投資家の懸念は払しょくされていない、との声が聞かれる。

 人民銀行は、1年物の貸出基準金利と預金基準金利を0.27%ポイント引き上げると発表、新金利は21日から適用すると明らかにした。過剰流動性の抑制に向けて、今年に入って3度目の利上げを実施した。

 また利上げ発表の直後に、新華社は、中国が利子所得にかかる源泉徴収税率を8月15日付で20%から5%に引き下げる、と伝えた。インフレ率の上昇が加速するなか、銀行預金の魅力を高めることを狙った。

 ファースト・キャピタル・セキュリティーズのエコノミストは「2つの措置がとられたとはいえ、引き締めは緩やかすぎ、経済の過熱トレンド抑制の一助にはならない。追加引き締めの余地が相当ある」と話す。

 エバーブライト・セキュリティーズのマネーマーケット担当シニアアナリストは「今年の引き締めは最後ではない。関係者の多くは、年内に27ベーシスポイントの利上げがあと2度あると見ている」と述べた。 

 <株式市場への影響>

 市場参加者は、中国株式市場の主要株価指数である上海総合株価指数(.SSEC: 株価, 企業情報, レポート)が23日からの週、4000の節目付近で急変動すると見る。

 同指数は20日は、3.73%高の4058.853で引けている。

 フォーチュンSGAMファンド・マネジメント副最高投資責任者(CIO)は「当局がインフレ上昇や相場過熱を容認しないことは明らか」と話す。「最初の影響はマネーフローに対してではなく、心理的なものになるだろう。実質金利は依然マイナスだ。市場の主なけん引役は企業収益の伸びだということを念頭に置く必要がある」との見方を示した。

 今回の利上げと源泉徴収税率引き下げを受け、期間1年の人民元建て預金の金利は2.45%から3.16%に上昇したが、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率の前年比プラス4.4%を依然下回っている。

 フランクリン・テンプルトン・シーランド・ファンド・マネジメントのCIOは「利上げは緩やかものだった。源泉徴収税率が引き下げられても、マネーを銀行口座に戻す動きになるとは思えない」と指摘する。

 HSBCジントラスト・ファンド・マネジメントの投資ディレクターは、預金金利と貸出金利が同じ幅で引き上げられたことについて、銀行の金利マージンに影響がなく、株式にとってはよいニュースと述べた。

[上海 20日 ロイター]

 (07/07/24 08:59)  





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