中国長江の水源地、流量激減、5つの危機に直面

2007年07月11日 08時34分
 【大紀元日本7月11日】地球温暖化などの原因により、中国長江の水源地域の生態環境は、5つの深刻な問題に直面している。氷河の融解、河流の枯渇、湖の面積縮小、砂漠化、大量のゴミである。専門家は、「この地区の環境問題はまるで伝染病のように、長江の中、下流と、経済が最も活発化している『長三角地区』(長江流域の経済発展の中心地区、上海市を含め、江蘇省、浙江省などの15の都市からなる) に居住する1億人以上の生活に影響している」と指摘している。

 香港紙「明報」によると、世界自然基金会中国支部と中国科学院の専門家は6月、長江の水源地域となる北西部の青蔵高原に訪れ、地球温暖化と人為的な破壊による現地の生態環境への影響を調査した。調査チームは青海省の西寧市から出発し、調査距離は1300キロ、終点は唐古拉 (タングラ) 山麓の長江源流の沱沱河。

 報道によると、気温上昇の影響のため、崑崙山脈や、唐古拉山の氷河は明らかに減少した。チベット可可西里地区の小さな氷河はすでにすべて消えた。沱沱河の源流・各拉丹東雪山の姜古迪如・氷河は、年間の縮小率が7.4%から9.1%に上昇している。

 また、永久凍土(高山ツンドラ)の位置する高度が上昇し続けている。1980年代、崑崙山脈西部の永久凍土は高度4150メートルに位置していたが、現在は高度4300メートルとなっている。さらに、ツンドラの解けた部分の厚さも拡大し、1メートルから1・2メートルになった。

 氷河とツンドラの融解は、長江中・下流地域の水供を不安定にさせ、流量が減少する。土壌が乾燥するため、砂漠化と砂嵐が益々深刻化。

 「過去40年間、長江の水源地域の気温は上昇し続け、降雨量が減少、水分蒸発が増加したため、元々渇水する高原地帯の水資源がさらに不足している。沱沱河の場合、水分の蒸発量が大幅に増加したため、雪山の溶け水による補給は、まったく補えなくなり、流水量が年々減少している」と報じられた。

 また、中国環境保護活動家・楊勇氏は、「沱沱河は冬季に、季節的な枯渇が発生している。川水が完全になくなる。このような現象は近年、青蔵高原でも起きている。深刻な問題に直面するのは長江だけではない、黄河や、瀾滄江などの重要な河川も同じ状況である・・・湖の水位も下げ続け、面積が減少し、蒸発量の増加により塩化現象を起こしている」と明らかにした。

 調査チームによると、長江の水源・赤布張湖の水位が下げ続け、いまでは、4つの小湖に分離された。1970年代から今日までに、青海湖の水位が3メートル下がり、面積は200キロ平方メートル以上縮小した。いまは、毎年8cmのスピードで水位が下げている。

 中国科学院南京分院の李世傑・副院長は1990年、チベットの可可西里地区の無人地域を現地調査した。当時の約23・5キロ平方メートル、水深1・3メートル以上の湖があったが、同副院長が1998年に再び訪れると、この湖は完全に枯渇していた。

 李世傑・副院長は、地球温暖化や、過度の放牧、ネズミによる被害などの影響で、長江水源地区の地表植生は全般的に乾き、砂化している。流動的な砂浜は拡大し続けている。

 現地の気象センターの統計データーによると、長江の水源地区の草原は減少傾向にあり、1980年代には平均減少率が3・9%だったのが、1990年代は4・6%に上昇した。

 中国の環境保護専門家は、「同地区の草原の減少と砂漠化が益々深刻になる一方、砂漠化面積は毎年2%のスピードで増加している。現在の崑崙山脈の砂嵐は北京の10倍の強さと言われている。砂と泥が混じった川水は、長江の中・下流まで流れ、沿岸の生態・社会発展に影響し、黄河の二の舞に成り得る。砂漠化の発展は、河水の砂含有量を増加させ、近い将来、長江の中・下流地域の住民が泥水を飲む可能性がある」と警鐘をならしている。

 また、長江水源地区の住民が増え、人間の社会生活が活発化しているため、沱沱河が深刻なゴミ汚染に直面している。

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