北京五輪:深刻な大気汚染、選手に悪影響の懸念=IOC会長

2007年08月12日 08時23分
 【大紀元日本8月12日】開幕まであと1年を切った2008年北京五輪には、1万人の選手および数百万人の観客が一斉に集まると予測されている。しかし、北京の深刻な大気汚染は、すでに陸上競技または長時間を要する競技種目の選手たちのコンディション影響を与えると懸念し始めている。国際オリンピック委員会(IOC) のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長はこのほど、北京市の空気が悪ければ、一部の種目は延期して行う可能性があると示唆した。

 *深刻な北京の大気汚染

 「クリスチャン・サイエンス・モニター」8日の報道によると、開催期間が3週間に及ぶ北京オリンピックは、中国民間ではもっとも縁起が良い2008年8月8日午後8時8分に開幕する。しかし、息詰まるような北京の大気汚染および夏季の変化しやすい天気で、五輪開幕に少なからず影響を与える可能性があるという。

 北京において、ここ数ヶ月間、車の排気ガス、砂塵および工場の排気はすでに北京市の地平線を覆ってしまっている。北京市で、現在300万台登録されている車は、来年の8月には330万台に上る予測であるという。また、北京における車の排気ガスは、車を運転する中国人の増加に連れて上昇する見込みである。

 大気汚染に関し、世界銀行および中国環境保護局の共同研究では、大気汚染と関連する健康コストは、中国GDPの3・8%であり、すなわち、760億米ドル(約9兆1200億円) になるという。

 *状況によっては、一部の種目を延期する可能性も

 「ウォール・ストリート・ジャーナル」8日の報道によると、IOCのロゲ会長は米国CNNテレビ局の取材に対して、選手の健康を保証することはIOCの主要な仕事であるとし、開催時に空気の品質が良くなければ、試合の時間を改めて設定する可能性はあると示した。ロゲ会長の発言は、北京の大気汚染問題はさらに懸念される。実際、過去において、ヨットおよびボートなどの種目では天候不順のために、試合時間を改めたことがあった。しかし、大気汚染のために試合を改めることは五輪史上初である。

 専門家は、北京の大気汚染は、これまでに汚染問題を抱えたロサンゼルスまたはアテネより深刻であると指摘した。北京は今年6月に、これまでの7年間において、空気の状態は最も劣悪であるとされ、二酸化炭素含量は世界保健機関(WHO)が定めた大気清浄標準より78%も上回っている。IOCはこれまでに北京オリンピック準備作業について、公に指摘したことはなかったことから、ロゲ会長の発言は北京市に対する暗示であるとみられる。

 *選手の北京入りは早めないほうがいい

 ニュージーランド・オリンピック団長デイブ・クリー(Dave Currie)氏および各国五輪関係者は1週間前に北京を訪れた。クリー氏によると、8月7日に、空気品質問題が会議で提出されたという。クリー氏は「問題は、我々には空気にどんな汚染物が入っているのかは分からない。勿論、二酸化炭素と一酸化炭素は競技する選手にはよくない」と指摘した。豪州五輪関係者ジョン・コーツ(John Coates)氏は、豪州選手たちに、北京の大気汚染は選手に発病率を高める可能性があるため、北京入りの時期は早めないよう伝えるとした。

 
(記者・田清)


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