【党文化の解体】第2章(1)

目次

1.儒・佛・道を批判する
1-1)儒家を批判する
1-1)-(1)孔子を批判する
1-1)-(2)知識人を批判する

1-2)佛家道家を批判する
1-2)-(1)神佛の存在を否定し、信仰の動機を歪曲する
1-2)-(2)修行の物質的環境を破壊する
1-2)-(3)肉体を消滅させる
1-2)-(4)宗教経典を歪曲して、宗教を世俗化する
1-2)-(5)中共の宗教協会を設立し、内部から宗教を批判する
1-2)-(6)宗教自由の虚像を作り上げる

2.伝統的観念を批判する
2-1)天に対する畏敬を批判する
2-2)運命と善悪応報の考えを批判する
2-3)柔順さと忍耐、譲歩の道徳観を批判する
2-4)伝統的な社会秩序を批判する
2-5)財産をもって道徳を量る重要な根拠とする
2-6)その他の批判された文化観念

 政治学習や思想改造というものは、中国人なら誰もが多少なりとも経験したことがあるはずだ。多くの人は、「どうして人の思想を改造しなければならないのか?」と問うかもしれない。その根本的な原因は、中共の善悪の基準、思考様式と言語による表現方法がすべて、人間性に反するものであり、それらは大衆の中では自然に形成することができないばかりか、人間性に照らし合わせれば排斥されるべきものだからである。かつ、共産党は、本来が西洋からの舶来品で、人々に嫌われた政教合一の独裁体系として、中華伝統文化とは極度に抵触するものだからである。それゆえ、中共が中国で存続していくためには、なんとしても一つの党文化環境を造り出さなければならず、思想改造はそのための欠かさない第一歩だったのである。

 改造の重要な第一歩は、中華文化の信仰の根本である儒佛道を批判することだ。民間の伝統的観念は、儒佛道三教によって確立された価値観が世俗に反映されたものであり、これらの観念は、すでに人々の日常生活の一部分になっていて、それらによって人々は容易に文化の根源にまで辿りつくことができる。それゆえ、伝統的観念に対する批判が、中共が中国人たちの思想の中から中国伝統文化と信仰を根絶する重要な一歩となったのである。そして、これによって、中国人たちは、中共とその党文化に対する識別能力と判断能力を喪失するようになってしまった。

 中共は、儒佛道を批判し、伝統的観念を批判してこれらを取り除くことにより、伝統文化を壊滅する目的を達成し、その上で、階級闘争、弱肉強食、適者生存のジャングル法則、及び進化論と現代科学など、党文化に必要な思考様式を作り上げた。このようにして、中共は人々に、系統的に無神論を基礎とした党文化の邪説を受け入れさせ、自らが生存できるような社会環境を造り上げ維持してきた。これが正しく、中共が体系的な思想改造を行なった結果だ。
 

拷問から処刑まで、さまざまな思想改造法

(続く)